『名探偵コナン』劇場版がまたしても爆発的大ヒット! ファンが離れても戻ってくる”物語構成力”
4月13日から公開がスタートしたアニメ映画『名探偵コナン ゼロの執行人』が、公開3日間で動員128万9,000人、興収16億7,000万円という超ロケットスタートを切った。これはシリーズ最高興収の68.9億円を記録し、17年の邦画興収ランキングでトップに輝いた前作『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』をも上回る勢い。このままいけば2年連続で『名探偵コナン』が邦画ランキングを制する可能性もある。
『名探偵コナン』は1994年から『週刊少年サンデー』(小学館)にて漫画連載がスタートした長寿連載。1996年にはすでに日本テレビ系にてアニメ放送もスタートしており、実に20年以上続く息の長いコンテンツだが、なんと劇場版シリーズは今、5作連続で興行収入記録を更新中。まだまだ人気が衰えないどころか、いっそう上昇し続けているのだからすごいの一言だ。
昨年4月、『BuzzFeed News』が実施した映画プロデューサー陣へのインタビューで、「コナンファンは卒業しない」と理由を推測していた。『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』『アンパンマン』など長寿アニメは他にも様々あるが、『名探偵コナン』がそれらと明らかに違う点は、一話完結に近い事件モノでありながら、本筋のストーリーもずっと続いていることだ。そのため、たとえファンが離れたとしても、物語で重要な展開が起こると「何事だ?」と戻ってくるのではないか……という読みである。
確かにその「出戻り現象」が、2009年公開の劇場版第13作『漆黒の追跡者(チェイサー)』で起こっている。物語のカギを握る“黒の組織”が登場する同作は、それまでシリーズ興収最高記録を誇っていた劇場版第6作『ベイカー街(ストリート)の亡霊』の記録を更新。以後、物語の重要人物・赤井秀一の秘密が明かされた劇場版第18作『異次元の狙撃手(スナイパー)』、人気キャラクター・怪盗キッドが登場した劇場版第19作『業火の向日葵』なども立て続けに大ヒット。そして再び“黒の組織”が登場した劇場版第20作『純黒の悪夢(ナイトメア)』は、シリーズ最高興収記録を約20億円もアップさせる興収63.3億円を打ち出した。
今回の劇場版『ゼロの執行人』も大人気キャラクター・安室透の秘密に迫る作品であり、驚異的な記録を上げているのも納得がいく。
また、『名探偵コナン』だけに限らずアニメ映画が好調な傾向にある。2017年の邦画興収ランキングは、トップ10のうち6つがアニメ映画。実写作品だけで見ても、1位は小栗旬(35)主演の『銀魂』で漫画原作のコンテンツだった。2016年は『君の名は。』が圧倒的1位で、邦画実写では『シン・ゴジラ』が1位、小栗旬主演の『信長協奏曲』が2位となっていた。うーん、コナンもすごいが小栗旬も相当すごい。
2015年も邦画ランキングは1位『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』、2位『バケモノの子』とアニメ映画が上位を独占。今年は『銀魂2(仮)』『検察側の罪人』『孤狼の血』『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』など話題の実写映画が控えているが、3月から公開中の『映画ドラえもん のび太の宝島』も一カ月で興行収入44.4億円を突破し、新シリーズ最高の興収を達成している。『ドラえもん』や『名探偵コナン』といったアニメ映画が邦画興収ランキングを独占する状況は今年もまだ続くかもしれない。
(ボンゾ)
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