現代の男は宮本成分が足りない! サラリーマンのバイブル『宮本から君へ』で仕事と恋愛を学ぶ!!
#マンガ #コミック #ザオリク的マンガ読み
今日もお仕事ご苦労さまです!! 日刊サイゾー読者の皆様の中には、ビジネスマンの方も多数いらっしゃると推察されます。近年のデキるビジネスマンと言えば、スマホ片手にノートPCを携え、スマートに仕事をこなすITサラリーマンのイメージですよね。しかし、スマートなだけがビジネスじゃありません。今時のビジネスマンがもう一皮むけるために、ぜひ読んでもらいたい作品があります。この4月からテレビ東京でドラマ化もされた『宮本から君へ』というマンガです。
バブル時代の浮かれきった風潮に、冷水を浴びせるような衝撃的なシーンで、当時の読者をドン引きさせた悪名高い作品である一方、後年はサラリーマンのバイブルとして評価されたマンガでもあります。今回は読む人によって評価が真っ二つに割れてしまう伝説のマンガ、『宮本から君へ』で、現代のビジネスマンが知らない、仕事と恋の成功の秘訣を学んでみたいと思います。
主人公・宮本浩は、マルキタという文具メーカーの新人営業マン。営業成績は決していい方とはいえず、取引先との人間関係もうまくいかず、同僚たちと居酒屋で愚痴を言い合う日々。スマートじゃないし、非モテだし、出世とも無縁で、おまけに自己中で頑固という、島耕作の対局のような生き様のサラリーマンです。
そんな宮本は、通勤電車でいつも見かけるトヨサン自動車のOL・甲田美沙子にひと目惚れしてしまいます。それからというもの、毎日同僚に恋の相談してはイジイジしていて、仕事もままならない状況でしたが、ついに勇気を出して声をかけ、それがキッカケで次第に美沙子と親密な中に……そんな出だしのストーリー。ずいぶんとヌルい展開で、なんてことのない普通のダメサラリーマンマンガじゃないか……という印象を持ってしまうかもしれません。しかし、この前半で読むのをやめてしまうと、この後に待っている熱い超展開を見逃してしまうことになります。
というわけで、『宮本から君へ』の何がスゴいのか? その名シーン・衝撃シーンをご紹介していきましょう。
■女に振られてパンツ一丁で極寒の海に入水、そして絶叫
ひと目惚れした甲田美沙子との距離が次第に縮まったある日、会社をサボって2人で海を見に行くという、もうこれ完全に付き合えるだろという雰囲気のデート。美沙子の肩を抱き寄せて、ついに告白するぞ……というその瞬間、美沙子は付き合っていた男に捨てられたばかりだという告白をし始めます。なんでそのタイミングで! ワザとか? ワザとなのか?
美沙子に男がいたとは知らず、告白する気マンマンだった宮本は、不意をつかれて気が動転。突然服を脱ぎ出してパンツ一丁になり、極寒の海の中に入って波に打たれながら絶叫を始めます。
「甲田美沙子が普通のやつなんかに捨てられちゃだめだろ!!」
「こういう時!! 側にいて!! 優しくするのが俺は!! 許せないから」
傍から見るとマジ異常行動。彼氏にフラれたって言ってるんだから、別に告白してもいいと思うんですが、そこは男としてのプライドが許さない宮本。わかる、それはわかるが、突然パンツ一丁になるのは、よくわかりません。しかし、この後ぐらいから宮本は急激にモテはじめます。本当の愛には狂気が宿るもの……時には行動が異常なぐらいのほうが逆にモテる、そういうことじゃないでしょうか?(異論は認めます)
■謝っているはずなのに、いつのまにか相手を威嚇している攻撃的土下座
宮本が働いている文具業界は、新規取引先には仲卸業者を仲介してクライアントに納品するため、仲卸業者には頭が上がりません。しかし、その仲卸の担当者・島貫部長がスゲー嫌なヤツなのです。常に全力で常に真っ直ぐな男・宮本は、露骨に賄賂を要求してくる島貫部長の要求を頑として呑まず、正攻法で営業をしてくるため、徹底的に嫌われます。
自分の提案内容をなんとかクライアントにプレゼンしたい宮本、しかし島貫部長が見積書を書いてくれない限り、プレゼンができない……嫌がらせで見積書を書いてくれない島貫部長に対して取った、宮本の行動は……なんのひねりもない怒涛の土下座攻撃。
オフィス街の路上のアスファルトに頭を擦り付けた土下座スタイルで、逃げようとする綿貫部長の行く手を阻みます。避けようとすると、四つん這いのまま高速移動して、再び行く手を塞ぎ土下座。最終的には道路のど真ん中で土下座をして渋滞まで引き起こし周囲の大注目を浴び、ついに島貫部長が根負けするのです。
どうせ土下座するなら相手が嫌がる「攻めの土下座」をするべし、そんなビジネス土下座道を宮本から学ばされるシーンです。(周囲はすごい迷惑ですが)
■付き合う女をイイ女にしてしまう究極能力
甲田美沙子にフラれた後、職場の先輩・神保の紹介で出会った年上の女、中野靖子は宮本にとって人生を左右する重要なパートナーになります。
靖子の初登場シーンは、どう考えても二軍以下のルックスで、ツリ目のおせっかいババア。性格は気が強くてかわいげがないサバサバ系。いくらなんでも、これはヒロインにはなりえない、ただの脇役だろう、という存在でした。しかし、登場シーンを重ねるごとに、靖子のババ臭さが少しずつ減衰されていき、魅力的になっていくのです。しかも、ちょっと見ただけでは変化がわからないところがポイント。ほんの少しずつジワジワとイイ女になっていき、気がついたら作品中で最もカワイイ女に変貌を遂げていました。
付き合う女をいつの間にか美人にしてしまう、この宮本の持つ謎のフェロモンこそ、最高の男である証明ではないでしょうか。
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