『たまゆら』の聖地に見た“向上心を忘れた観光地”竹原市の行く末──観光協会と地元民の不協和音も
2018/04/05 14:00
#アニメ #地域 #聖地巡礼
でも、作品の舞台となったロケーションが数多くある町並み保存地区に入ると、風景はガラリと変わる。そこまでは、あちこちにあった『たまゆら』の絵も文字も、まったく目にすることがなくなるのだ。
そのあたりで地元の人に話を聞くと、さまざまな問題が見えてきた。それは、メインの観光地である町並み保存地区の人々の、『たまゆら』なり『マッサン』を推す観光協会への不信感。
「土日は、そこそこ観光客が来るけど……ぜんぜん、お金を落とさない」
ある商店の人は、吐き捨てるようにいう。
しかし、どうだろう。この、町並み保存地区というところ、確かに町並みは保存されている。でも、観光客がお金を落としそうなところが極端に少ない。数件の飲食店を除けば、資料館くらいだろうか。
正直、街の経済が沈滞しているからこそなのか、町並みの保存状態はよい。でも、このような町並みは、全国のあちこちに存在する。ほかに観光客が押し寄せる要素はどこにもない。『たまゆら』は、そうした沈滞ムードを打破する要素と成り得たのに、それは果たせなかった。
歩けば寂しさばかりがつのる観光地の行く末が、気になった。
(文=昼間たかし)
最終更新:2018/04/05 14:00
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