「地元といえば、崖」福井県の観光施策「がけっぷちリゾート」ネーミングの意図を聞いた!
#地域
あまりにもインパクトが大きすぎるネーミングじゃあるまいか。
福井県の坂井・あわら両市が始めた新たな地域観光促進事業が、その強烈なネーミングで注目を集めている。
地域観光ブランド「がけっぷちリゾート」が、それである。
このネーミングセンスにインパクトを感じた後に、誰もが脳裏に浮かぶのはひとつの疑問。「で、坂井市とあわら市というのは福井県のどのあたりにあるの?」ということ。
この、ふたつの市があるのは福井県の北部。そんな地域の名所として知られるのが、日本海に面した東尋坊である。
東尋坊といえば、巨大な垂直に切り立った崖が続く有名な岩壁。風光明媚ではあるが、同時に自殺の名所として、全国的に知られる場所。
確かに「がけっぷちリゾート」と聞いた後に、東尋坊と続けば二度と忘れられないインパクトがありそうだ。
そんなインパクト絶大、不謹慎ギリギリのネーミングは、地元の人々も交えた会議の中で提案されたものだという。
「叱られるようなネーミングではないか? という意見もあったんですが、インパクトの強さが支持されました。それに、漢字だと尖った印象ですけど、ひらがなにすることで、柔らかさが出るということでまとまったんです」(坂井市観光産業課の村中美帆さん)
この施策の目的は、2023年に予定されている北陸新幹線の金沢――敦賀(福井県)延伸開業だ。現在、首都圏からはとてつもなく遠い福井県だが、この延伸によって数時間で行ける観光地へと変貌する。それを前に、観光客を呼び込むべく始まったのが「がけっぷちリゾート」というわけだ。
「地元といえば、崖。だから、そこを中心に一帯をリゾートゾーンに見立てて魅力を発信しようというのが、がけっぷちリゾートというわけです」(同)
「地元といえば、崖」というのは、なかなかのパワーワード。4月7日から利用できる「がけっぷちリゾート周遊チケット2018春」も販売中。何かヒリヒリするようなキーワードゆえに、単なる観光ではないものを期待してしまう。
ちなみに最寄りの新幹線駅名は「JR芦原温泉駅」に決まっているが、そちらの知名度向上にもインパクトのある展開を期待してしまう。
(文=昼間たかし)
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