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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 「アイドルロス」に贈る3つの処方箋
“生涯ドルヲタ”ライターの「アイドル深夜徘徊」vol.1

春はお別れの季節です――「アイドルロス」のあなたに贈る3つの処方箋

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 春はお別れの季節だ。一般社会においては年度の変わり目ということで、卒業、進学、就職、転勤など、これまで過ごしてきた環境から旅立っていくことが多い。

 それは、アイドル界においても同じだ。特に今年はその例が多く、1月には、私立恵比寿中学の廣田あいか転校と、ももいろクローバーZの有安杏果の卒業・引退。2月はアイドルネッサンスが解散、3月にはBiSから中心人物であったプー・ルイが卒業、ハコイリムスメから元リーダーの鉄戸美桜が卒業、そして3月31日をもって、GEMが解散と、大きなニュースが相次いだ。

 それぞれのアイドルに、たくさんのファンがいたことを思えは、そこに多くの悲しみがあったことは間違いないだろう。そして、その思いが強ければ強いほど、心の中にぽっかりと穴が空いたような喪失感、いわゆる「アイドルロス」に陥ってしまう人が多くいるものと思われる。

 私も、アイドルファンとして、長い間に多くの別れを経験してきた。

 初めに言っておくと、この悲しみには“慣れる”ということがない。「また『推し』が引退しちゃってさ~」と強がって話題にはするものの、実のところ、最初に経験したときとまったく変わらない喪失感に苛まれているのだ。

 ただし、いつまでもそのショックを引きずってはいられない。眠れない夜を過ごそうが、ひたすら涙に暮れる日をすごそうが、日常はやってくるのである。そこで、私がこれまでのたくさんの別れから感じた、心構えのようなものを書いてみたいと思う。

 

■悲しむのは悪いことではない

 

 好きなアイドルを失った時、悲しんでいる自分をさらに追い込んでしまうことがある。

「もっとたくさんライブに行っていればよかった」
「解散してしまったのは、我々ファンの応援が足りなかったからではないか」

 そんな風に自分を責めたり、後悔してしまったりするのである。

 しかし、「悲しみ=後悔」という考えは、いたずらに、前向きになろうとする自分を妨げるだけだ。悲しみは、それだけそのアイドルを愛し、夢中になって応援できたことの証左でもある。だから、何の自責の念も持たず、ひたすら悲しみにくれてみればいいのだ。

「時が経てば悲しみはなくなる」、そんなきれいごとを言う気はない。ただ、好きになったアイドルがくれた悲しみを、心のどこかに抱えて生きる。それはそれで、素敵なことだと思うのだ。

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