中国製スマホ500万台が出荷前にウイルスに感染! 中国人被害者が「批判しない」ワケとは?
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日本でもシェアを拡大させている中国製の格安スマホだが、やはり安いものにはリスクが付き物なのかもしれない。
香港メディア「東網」(3月20日付)などによると、中国製のAndroidスマートフォンが、出荷前の段階でウイルスに感染していたことが判明。その数、なんと494万4,000台! インターネット・セキュリティ大手のチェック・ポイントによると、ウイルスは「RottenSys」というマルウェアで、Wi-Fiサービスを偽装するなどして、不正に広告を表示させるのだという。それにより、スマホの処理速度が大幅に遅くなるというのだ。このウイルスを通じて、3月3~12日の10日間で1,325万本以上の広告が不正にユーザーに送りつけられ、少なくとも54万回タップされた。広告収入は、推計で72万元(約1,212万円)に上るという。
RottenSysに感染していたスマホを機種別で見ると、最も多いのは約69万台のhonor(オーナー)で、2番目は約58万台のHUAWEI(ファーウェイ)。honorもファーウェイ傘下のブランドなので、ファーウェイだけで127万台以上に達することになる。以下xiaomi(シャオミ)、OPPO(オッポ)、vivo(ヴィヴォ)と続き、最後にサムスンも入っていた。ファーウェイは、すでに日本市場でも市民権を得ており、OPPOも先ごろ、日本市場に進出したばかりだ。
問題は、なぜ販売前の新品のスマホがウイルスに感染していたのかという点。中国メディアなどによると、半分近くは浙江省杭州市の卸売業者から流通したという。つまり、その卸売業者が出荷前にRottenSysをインストールした可能性がある。
「中国では卸売業者が、独自にアプリをインストールして出荷するケースが少なくない。中国ではGoogleがすでに撤退しているため、純正のGoogle Playが使えない。このため、卸売業者は中国市場向けに別のアプリストアをあらかじめインストールするんです。ほかにもネット広告代理店が卸売業者に金を払い、宣伝アプリや広告を表示させるプログラムを入れる場合もある。こうした独自の流通形態が、ウイルス拡散に拍車をかけている」(深セン在住の日本人エンジニア)
報道を受け、インターネット上ではメーカーや卸売業者への批判が集中するかと思いきや、中国人の反応はそうなっていないようだ。SNS上では「Androidはアメリカ人が作ったんだから、そもそも信用できない」と、Googleに罪を押し付けようとする書き込みや「セキュリティ会社がウイルスを作っているんでしょ」と“陰謀論”を主張するユーザーも。どうやら中国のユーザーは、広告表示ウイルスくらいでは驚かないようだ。
日本で販売されている中国製スマホがウイルスに感染していたというケースは今のところ確認されていない。しかし、最近では中国からスマホを個人輸入して使うユーザーも増えている。中国でスマホを購入する際は十分注意する必要がありそうだ。
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