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日刊サイゾー トップ  > ボクシング協会の“隠ぺい体質”を暴く

大相撲、レスリングに続き……ボクシング協会でも不祥事が発覚!「消えた1,200万円」と「隠ぺい体質」を暴く

※イメージ画像

 プロボクシングの九州、沖縄、広島、山口各県のジムが加盟する「西部日本ボクシング協会」で、約1,200万円の不正会計があったことを加盟する10ジムの会長グループが告発。協会側が問題を「水に流す」という案を出したことで紛糾し、刑事告訴に踏み切る動きも出てきている。

 告発したのは、福岡・北九州市にあるYANAGIHARAボクシングジムの会長・柳原廣一氏、同市にある折尾ボクシングジムの会長・西村浩明会長ら「有志一同」で、昨年6月に「前協会長の本田憲哉氏(熊本・本田フィットネスボクシングジム会長)が、収支決算報告書を改ざんしたと思われる部分がある」と指摘。解決に向けて長く協議してきたが、今年1月の会合で、職務を引き継いだ現協会長の平仲信明氏(平仲ボクシングスクールジム)らが、これを「水に流そう」とする決議を提案。その多数決を取ろうとしたことで、猛抗議が起こったのだという。

 柳原氏によると「この問題が起きてから、協会内では不審な動きばかりが目立った」という。

「本田氏はこの問題発覚で、全会一致で解任となったんですが、そこでなぜか平仲氏が加盟ジム全員の許可を得ずに選挙を強行して、勝手に協会長に選出されるということがあったんです。結局、選挙をやり直して、平仲氏が別の立候補者に1票差で勝って協会長にはなったんですが、そのときの公約のひとつが『収支決算報告書の不正を正す』というものだったのに、その本人が『水に流しましょうか』と言い出したので、紛糾したんです」(柳原氏)

 これまで出された収支報告書では、預金通帳の残高と整合性が取れておらず、その指摘に前協会長の本田氏は当初「1,200万円を二重に計上していたため」などと話していたが、ほかの証拠書類などにより、これは否定されたという。そんな中で1月、会合にゲストとして出席した全国を統括する上部組織、日本プロボクシング協会のトップである渡辺均会長らが「責任者を選んだみんなの責任なんだから」と“水に流す案”を提案、これに同調した平仲氏が、それを「多数決で決めましょう」と言い出したところ、多くの協会員から「大金の所在がはっきりしない中、不透明な解決はあり得ない」との異論が殺到したのだという。

「その場は、次回の総会に結論を持ち越すということになったんですが、その後は総会の期日も決まらないままで、協会に問い合わせても『いつにするか、わからない』との曖昧な回答で、まさに“水に流され”そうになっているんです。このまま協会が不正会計をきちんと処理しないのなら、日本相撲協会やレスリング協会でも批判された“隠ぺい体質”そのものですよ。狭い世界なので正直、揉めたくはないですし、お恥ずかしい事態ですが、1,200万円も不明なのに不問にするなんて、一般社会ではあり得ません。数日中に記者会見で、より詳しい説明をするつもりです」(柳原氏)

 この不正会計疑惑については昨年、当時の事務局長だった人物に質問したところ「横領とかではなく、ただの記載ミス」と説明していたが、多くの協会員を納得させられるものではなかった。遠く離れた首都圏の有力ジム関係者は、こんな話をしている。

「本田氏といえば昨年2月、地元熊本で初めて世界タイトルマッチ興行を開催し、チャンピオンが生まれたんですが、興行の収支はかなり苦しかったと聞きます。九州で世界戦をやったことは本当に快挙で、もしそれで不足した費用を協会の金で埋めていたとかなら、業界で助け合えなかったのかな? とは思います。でも、お金の話は1円単位までちゃんとしないとダメでしょう。この業界での揉め事は、だいたい金のことですから。水に流すなんて論外ですよ」

 大相撲、レスリングでは組織の鈍い対応が世間から批判を浴びていたが、ボクシング界では、同じ轍を踏みたくないところだ。
(文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)

最終更新:2023/01/26 18:53
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