佐藤大樹って何者だ!? 映画『HiGH&LOW』の裏話と、EXILEの末っ子が抱く大いなる野心
『HiGH&LOW THE MOVIE2/ END OF SKY』のパッケージ版が、2月21日に発売になった。ハイローに散々脳を焼かれてきたサイゾーPremium編集部は、これを記念して、シーズン1から山王連合会・チハルを演じてきたEXILE/FANTASTICSの佐藤大樹さんにインタビューを敢行。同作で描かれた山王連合会分裂劇の“裏設定”から、EXILEとして、役者としての目指すところまで、余すところなく質問に答えていただいた――。
チハルとコブラは目配せしてたんです!山王連合会分裂の裏話
山王連合会のチハルがサイゾーpremiumにキター!<↑画像をクリックすると拡大します。>(撮影/天田 輔)
――佐藤さんが演じた山王連合会・チハルは、ドラマのシーズン1『HiGH&LOW~THE STORY OF S.W.O.R.D.~』(2015年10~12月/日テレ系)では特に重要な役割を担うキャラクターでした。そこから2年以上がたちましたが、いちばん最初に撮影に臨んだ頃のことを覚えていますか?
佐藤大樹(以下、佐藤) 初めて台本を読んだときは、「僕のナレーションから始まる、こんなにおいしい役なんだ」と思って嬉しかったですね。すでに1~10話まで話が完成していたので、読み進めていって「あ、仲間に入れてもらうんだ」「いや、裏切んのかい!」と。それで、チハルが山王連合会に入ったのもノボル(町田啓太)さんの計画によるものなんだと解釈して本読みに臨んだら、ノリさん(脚本家・平沼紀久氏)に「いや、そうじゃない」って言われて、自分がつくっていたプランが全部ぶっ壊されましたね。そこから、久保(茂明)監督とノリさんと一緒にリハーサルを重ねながら、「(チハルには)とにかく山王連合会の中では一番ピュアでいてほしい」と言われたことを意識してキャラクターをつくっていきました。チハルは今まで1人で生きてきて、誰にも言えなかった悩みをやっとヤマト(鈴木伸之)さんに打ち明けられて仲間ができて、山王連合会の絆や仲間と一緒にいることの大切さを学んでいくのを体現しないといけない重要な役だから、「本当に頑張って」と言われましたね。僕が最初に持っていった役作りのプランでは「全然ヤンキー感が伝わらない」とも言われました。
――七三オールバックという髪型で、完成形のチハルはヤンキー感がしっかりありました。
佐藤 髪型は8パターンくらい自分で考えて、「どれがいいですか?」って聞いて決めました。シリーズを重ねるごとにテッツもダンさんもみんな髪型が変わっていくのに、僕だけずっと七三なので、ちょっと周りがうらやましかったです(笑)。
――でも、いま仰った通りチハルはドラマシーズン1では山王に入れてもらったのに裏切りを働いていて、それも許されて再び仲間に入れてもらったにもかかわらず、『THE MOVIE2/END OF SKY』(以下、『EOS』)で山王連合会が分裂したとき、ダンの側についてDTCを結成するじゃないですか。「コブラ(岩田剛典)たちにそこまでしてもらったのに、そっちにつくの!?」と、ファンの間でちょっと物議を醸したんですよ。
佐藤 はい、知ってます(笑)。これには本当にワケがあるんですよ! チハルは山王連合会にいちばん後から入ったけど、いちばん早くにその本質を理解したっていう設定があるんです。観ている方には伝わらなかったかもしれないんですが……。実は、映画の中では描かれていない部分として、山王が分裂してDTCがITOKANを出ていくとき、僕はコブラさんと目配せしてるんですよ。チハルは本来はコブラさん側にいるけど、ここでダン(山下健二郎)とテッツ(佐藤寛太)だけにしてしまったら収拾がつかなくなってしまう。だから「お前、わかってるよな」「こっちは任せてください、コブラさん」っていう、無言のやりとりがあったんです。いってみれば、山王連合会でいうコブラの役割をDTCではチハルが担う、という理由があって、そっちに従っていたわけです。
――へぇぇぇぇ。今すぐ『END OF SKY』のDVD見たくなりました。
佐藤 目配せのシーンもちゃんと撮ってたので、できあがった本編でなくなってるのを観て「おい!」と思ったんですけど(笑)。でもそれは、ハイロー独特の「観ている人に想像して楽しんでもらう」という狙いで編集されているんだと思います。
――いちばん末っ子だけど、だからこそやれることがあるという立ち位置だったんですね。
佐藤 そうです。これはEXILEに例えたら、HIROさんが当時EXILEに加入したばかりだった直己さんとNAOTOさんに三代目のリーダーを任せたようなニュアンスだと思います。DTCの分裂やチハルの振る舞いにファンの方々が驚いているのは知っていたので、もどかしさもありました。あと、コブラさんのテッツへの「やれるだけのことは全部やったのか」というセリフも、「冷たすぎない!?」って話題になってましたよね。
――そんなところまでご存知で。じゃあ、ハイローがオタクの間で盛り上がっているのも、しっかり把握してらしたんですね。
佐藤 LDHのファンの方は観てくれるだろうし、アクションがすごいので映画ファンの方には刺さるかも、と思ってたんですが、オタクとかサブカルの人にまで刺さってるのを聞いて、最初はすごく驚きました。でも話を聞いていると、そういう方のほうが普通の人よりも想像力もあるし、妄想力もあるじゃないですか。オフ会を開いて意見を交換したりとか。
――EXILEメンバーの口から「オフ会」という単語が出てくるのが斬新です。
佐藤 そういうのってすごいな、と思います。ニコニコ動画や日テレでやっていた、ハイローファンの座談会も観ました。BL好きな人やいろんな方がそれぞれの観点から話していて、「そういう解釈の仕方もあるんだ」と勉強になりました。観ている人たちの価値観を、僕らにわかりやすく教えてくれる人たちですよね。僕らは台本も読んでるし細かいキャラクター設定も知っているので、それ以上に広げようとは思わないですけど、それこそ腐女子の方とか、僕らがわからないような想像力を持っていて、役者でもやらないような掘り下げ方をしているじゃないですか。
大勢のキャストの中で埋もれないために…
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