16.4%過去最高のテレビ朝日『BG』で木村拓哉が“完全にヤベー奴”になっちゃった! 怖い!
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♪駄目な映画を盛り上げるために~簡単に命が捨てられていく~
と、昔の人(Mr.Childrenの桜井和寿さん)は言いました。今回の『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)では、まさしく「駄目なドラマを盛り上げるために、簡単に命が捨てられる」一幕がありました。
命を捨てさせられたのは、民間ボディガード・キムタクの上司である上川隆也です。暴漢に脚を撃たれ、出血多量か何か(簡単なので死因すら語られない)で死にました。
実際、撃たれたのは前回のラストなのですが、私はこのレビューで「次回、蘇生するかもしれません」と書きました。おそらく蘇生するだろうと思ったのです。なぜなら、あまりに簡単だったから。
今回は、その死に様から振り返ってみましょう。
(前回までのレビューはこちらから)
■どう見てもキムタクが悪いじゃん!
拳銃を手に、錯乱している犯人。「自殺する!」などと騒いでいるところに、キムタクが飛びかかります。
キムタクは専門的な訓練を受けたボディガードですし、チームの中でも格闘術に関しては飛び抜けた能力であることが描かれています。過去には3~4人のチンピラを一瞬でなぎ倒したこともありました。今回の犯人は冴えない中年ですし、以前、一度組み伏せたこともありますし、その際には手加減をしてあげたほど力量に差がある。そういう相手に、キムタクは弱々しく振り払われ、座り込んでしまったところに銃口を向けられます。上川隆也は、そんな無力無能な部下であるキムタクをかばって撃たれたのです。
当然、キムタクは制圧する自信があったのでしょう。あの場を丸く収めれば、ヒーローだったはずです。しかし、結果的には力及ばず、上司が死ぬきっかけを作ってしまった。上川隆也はキムタクのミスのせいで、キムタクの身替りとなって死んだのです。キムタクは、とんだヒーロー気取りの勘違いボディガードでした。キムタクのヒーロー気取りと力量不足が、上司を死に追いやった。
私が「次回、(上川が)蘇生するかもしれません」と書いた理由は、ここにあります。このまま上川が死んでしまうと、キムタクが背負わなければならない後悔と自責が重すぎるんです。到底ドラマの主人公として処理できるレベルではない。まともな神経をしてれば仕事を続けられるはずがないし、「もしあのとき飛びかからなかったら……」「もっとしっかり犯人を取り押さえていれば……」と、一生苦しまなければならない。そういう状況で、上司は死んでしまった。
予告では元気にボディガードを続けていたようだったので「こりゃ、蘇生したな」と予想したわけですが、驚きました。本当に死んでるんだもん。
じゃあ、自分のせいで上司が死んでしまったキムタクは、どうするのか。なかなか奇想天外なストーリーが繰り広げられました。
■なかったことにする。
キムタクは、「自分のせいで上司が撃たれた」という事実を、なかったことにします。不用意に飛びかかって、犯人が引き金を引くきっかけを作ったことに、まったく責任を感じていない。忘れちゃったみたい。全然後悔してない。まともな神経じゃない。怖い。
上司が殺された現場には、SPなど警察関係者や政府関係者もいました。警察は今回の事件を、「思い上がった民間ボディガードの上川が、ヒーロー気取りで騒動に介入して撃たれた」と発表します。大筋では事実関係に基づいた正しい発表ですが、ひとつだけ大きな間違いがあります。とんでもない濡れ衣です。ヒーロー気取りで騒動に介入したのはキムタクであって、上司の上川ではありません。上川は命がけでキムタクを守ったのです。それなのに、マスコミは上川ばかりを責めたて、ご遺族もいたたまれない感じになっています。
しかし、「勘違いのヒーロー気取りで、上司が死んだ原因を作ったのは僕だ!」とか、キムタクは言いません。警察側を一方的な悪者に仕立て、なんか不満を言ったりします。完全にヤベー奴です。
完全にヤベー奴と化したキムタクはその後も、普通に仕事を続けます。同僚に指示したり、笑顔を見せたりします。バールのようなもので襲われたりもしますが、自分の身を守るのは上手にできるようです。ピンピンしてます。ピンピンしつつ、現場にいた警察関係者や政府関係者に「本当のことを言え」などと怒ってます。「お前が殺したようなもんだ!」と言われたいのでしょうか。ヤベーな。
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