「カーリング女子が7割増しで可愛く見える理由」彼女らの魅力をプレゼンしながら自分の能力もプレゼンしていた井上マー
#お笑い #平昌五輪
ブレークしたお笑い芸人が特定のキャラや一発ギャグの印象を払拭できず、次第に飽きられて消えるケースは数多い。ブレークしたらゴールではなく、そこからが始まりなのだ。
「そんなの関係ねぇ」「おっぱっぴー」で世に出た小島よしおは方向転換し、今では年間100本以上に及ぶ子ども向けライブで存在感を示している。エロ詩吟で世に出た天津の木村卓寛は、ロケバス運転手という肩書でテレビ出演することが多くなった。
自身のリニューアルを図る芸人は、他にもいる。3月3日放送『俺の持論』(テレビ朝日系)に出演したのは、井上マー。尾崎豊のマネをしながら行う彼の一人コントは、多くの人におなじみだろう。
20年以上の芸歴を持つだけに他のネタも持ち合わせている彼だが、テレビでのみマーと接する視聴者は「尾崎豊だけ」と認識しているかもしれない。上下デニムで身を包み、暑苦しく咆哮するあのスタイルだ。
しかし今回、彼はスーツにネクタイという出で立ちで番組に登場。馴染みのないコンサバスタイルの井上マーが披露したのは、「カーリング女子に学ぶモテ女子論」であった。
■「スケートリンクがレフ板代わりになっている」という新発見
平昌オリンピックで銅メダルを獲得した“カーリング女子”。「そだねー」「おやつタイム」などで話題の彼女らを放っておけない男は世に多いと思う。その理由を、この日のマーは発表した。大きく分けて、4つの秘密があるらしい。
(1)日焼けをしていない
ほとんど北国出身の選手で占められているので当然。かつ、室内練習場にこもって練習しているため、より肌が白くなる。
(2)グループ効果
容姿にそれほど差のない女の子たちが揃うと、その中のちょっとしたデコボコに男性陣は注目する。「あの子の、あんなところがいいな」と撃ち抜かれ、そのうちグループ全体を好きになっている……という流れだ。
加えて、カーリングにはバスケやサッカーといった他競技にはない特色がある。
「カーリングのオリンピック代表は、サッカーみたいに全国から選抜された選手ではないんです。日本のクラブチームの中からチャンピオンになった1チームが、そのままオリンピックに行ってる。要するに、お友達なんです。“仲良し女子会”のまま、オリンピックに行ってるわけです。しかも、お菓子を食べちゃったりもする。あんなのは、絶対にカーリングでしかあり得ない!」(マー)
五輪中継を観ているつもりが、実は女子会を観ていた我々! それでいて、油断してると、ものすごい動き(スィーピング)をし始めるカーリング女子たち。
「あんな寒いところで、白い息を吐きながら女の子が道を掃除してるんですよ!? 応援しないわけないですよね」(マー)
(3)上目遣い
ストーンを放った後、その行方を凝視するカーリング女子。あの時の体勢は、まぎれもなく上目遣いだ。
「あんな長い時間、真剣な上目遣いをした女子を、大映ししたテレビで何回も見せられる。そんな体験、カーリングしかないんですよ」(マー)
(4)レフ板効果
ギンギンに輝いた照明がスケートリンクに映り、元から白かった肌をよりきれいに映し出す。会場は、言わば“アイドル製造場”と化しているのだ。
「カナダやスイスの外国選手は、白が飛び過ぎてファイナルファンタジーみたいになってます!」(マー)
■「カーリング女子はあざとい」という声に迎合せず
上記の4要素が絡み合い「カーリング女子は7割増しに見える」と、マーは持論を展開した。
正直、驚くべきプレゼン能力だ。旬の話題をチョイスしながら、ありきたりな持論に着地しない。「カーリング女子はあざとい」と同性から反感を持たれつつあると聞くが(あくまでウワサ)、その風潮には迎合せず、同時にヒートすることなく己の視点を貫いたマー。尾崎豊一辺倒ではない幅の広さを印象づけるに十分な、今回の露出だった。
一発ギャグやキャラクターなど極端な要素でブレークすることの多いお笑い芸人。ネタ番組やライブシーンがそれらを求めているからに他ならないが、一転してバラエティ番組では異なる要素が求められる。両者の方向性は、似ているようで違うのだ。
“極端”と“コンサバ”を行き来するブレーク芸人のその後は、苦行だ。
(文=寺西ジャジューカ)
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