大告白大会……登場人物全員が愛おしく見えてくる『隣の家族は青く見える』はどこか懐かしいホームドラマ
#ドラマ #フジテレビ #松山ケンイチ #深田恭子 #どらまっ子 #柿田太郎 #隣の家族は青く見える
集合住宅(コーポラティブハウス)を舞台に、4組の「家族」の価値観を軽やかに描く『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)。第7話で描かれたさまざまな告白。視聴率は5.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。
(前回までのレビューはこちらから)
■3人の亭主の男子会
夫が求職中のため、深雪(真飛聖)は実家の母(多岐川裕美・裕福そう)に生活費を無心したいが言い出せず。それどころか深雪の母が孫の中学受験の成功を願い口にした言葉がつらい内容だった。
「貴女は受験に失敗したところから、人生狂ってしまったから」
おそらく深雪はずっとこの価値観を植え込まれて育ってきたのだろう。長女(優香・安藤美優)の受験に執着する悲しい背景。
深雪は帰宅する途中、見知らぬ女性宅を隣人の大器(松山ケンイチ)が訪ねるのを目撃。「浮気では?」と奈々(深田恭子)に報告する深雪だが、奈々を思っての行為というよりは、自分の失意を他人の不幸で満たそうとする行為に見える。目撃時、思わず笑顔になっていた深雪の表情が忘れられない。こうやってずっと自分の精神を守ってきたのだろう。
夫・真一郎(野間口徹)が、子どもに無償で勉強を教える学習支援ボランティアをしていると知り深雪は激怒。人生で初めてやりがいを見つけた真一郎は職探しをしつつボランティアを続けることを真剣に頼むが、それなら家を出て行けと言われ激高する。
体外受精について相談する奈々に対し、大器はもう不妊治療をやめないかと提案。
「なんでステップアップするたびに、いろいろ理由つけて反対するの? 私もう反対されるの嫌なんだけど」
「俺だって嫌だよ! つらそうにしてる奈々見るのも嫌だし、つらいの我慢してる奈々見て見ぬふりするの嫌なんだよ?」
不妊治療の話ばかりで余裕もなくなり衝突してしまうとデメリットを語り、これで夫婦と言えるのか? と吐き出す大器と、夫婦だからやってこれたんだと反論する奈々。後にそれはカウセリングに通っていただけだとわかるのだが、奈々は浮気のことも口にしてしまう。
亮司(平山浩行)とちひろ(高橋メアリージュン)のカップルは、共に暮らすことになった亮司と前妻の子・亮太(和田庵)のことで衝突。
「亮司は亮太君に嫌われたくないんだよ? だから必死で機嫌とってるの。でも好かれもしないよ、このままじゃ? 彼の心の中に入ってってやらなきゃ、いつまでたっても欲しいもの買ってくれるだけの便利なおじさんのまんまだよ?」
「これは俺と亮太の問題だ、俺たち家族のことに口出さないでくれ」
すぐさま言葉のあやだと謝るも、「家族」に加えてもらえなかったちひろは傷つく。そして「他人」だから見えていることもある。
真一郎、大器、亮司は玄関を出たところで、ばったり遭遇。間髪入れず「いいところで会った、飲み行きましょう!」と誘ったのは、一番それを言わなそうなキャラ、真一郎。思わず「お前が誘うんかい」と言いたくなったが、このへんのセンスは毎回見事。大器の実家の居酒屋で発散する3人。
楽観的過ぎるかもしれないが、この状況すら悪くないとすら思えてしまう。題材こそ現代的だが、どこか懐かしいホームドラマの匂いがする。今回特に。
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