モンスター映画はアカデミー賞での受賞なるか? オタク監督の新作『シェイプ・オブ・ウォーター』
#映画 #インタビュー #アカデミー賞
本作で半魚人の彼を演じたのは、ギレルモ監督の人気作『ヘルボーイ』(04)と『ヘルボーイ/ゴールデンアーミー』(08)で水棲人エイブを演じたダグ・ジョーンズ。日本ではスーツアクターは裏方的存在だが、特殊スーツをまといながらクリーチャーになりきってみせるダグ・ジョーンズの情感たっぷりな芝居は米国では高く評価されている。ギレルモ作品に欠かせない盟友ダグ・ジョーンズの演技を、ギレルモ監督は日本の古典芸能に例えて語った。
ギレルモ「ダグは世界的にも希有な素晴しい役者です。日本には文楽という古典芸能がありますね。文楽の人形遣いでまぁまぁな人はうまく人形を操ります。でも、文楽の最高の人形遣いは、自分自身が人形と一心同体化してみせます。ダグもそういったタイプの役者なんです。あの特殊スーツを着たら、完璧にあのキャラクターになってしまうんです。ダグが完全にキャラクターになっていることで、サリー・ホーキンス演じるヒロインも彼に愛を感じることができたんです」
日本のオタク文化だけでなく、日本の古典芸能や浮世絵などへの関心も高いギレルモ監督。『パシフィック・リム』に出演した菊地凛子との久しぶりの再会を喜んだ記者会見の最後には「メキシコの兄弟を助けるつもりで、映画館に足を運んでね」と大きな体で謙虚にアピールしてみせた。オタク監督が異形の愛を描いた『シェイプ・オブ・ウォーター』、果たしてアカデミー賞ではどんな結果を残すだろうか。
(取材・文=長野辰次)
『シェイプ・オブ・ウォーター』
製作・原案・脚本・監督/ギレルモ・デルトロ
脚本/ヴァネッサ・テイラー 撮影監督/ダン・ローストセン 美術/ポール・デナム・オースタベリー 編集/シドニー・ウォリンスキー 音楽/アレクサンドル・デスプラ 衣装/ルイス・セケイラ
出演/サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス、ダグ・ジョーンズ、マイケル・スツールバーグ、オクタヴィア・スペンサー
配給/20世紀フォックス R15+ 3月1日(木)よりTOHOシネマズ シャンテほかロードショー
(c)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation
http://www.foxmovies-jp.com/shapeofwater
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