DAZNにDISられた!? “黒船”来襲に、Jリーグ失い防戦一方のスカパー!は大丈夫か
#サッカー #Jリーグ #スカパー!
先週から放送されているDAZN(ダ・ゾーン)のCMが、「スカパー!をDISってる」と話題になっている。
そのCMを簡単に説明すると、「昔、Jリーグ観戦を牛耳る将軍がいた」という字幕と共に、お笑いトリオ・ロバート演じる、いかにも悪そうな大名たちが「Jリーグは見ることができません」と笑うところに、黒船が現われ、開国を要求する。
この黒船がDAZNという設定のCMだが、確かに、かなり“攻めた”CMといえる。
というのも、Jリーグの独占放映権は2016年までの10年間、スカパー!が所持していたからだ(参照記事)。
06年のFIFAワールドカップドイツ大会で日本代表が惨敗し、サッカー人気が急落、Jリーグが厳しい時期もスカパー!が支えてくれた。そう感じているファンたちは多く、DAZNのCMに対し、「今まで10年もお世話になってきたスカパー!をおとしめるようなCMは受け入れ難い」という声は少なくない。
だが、それはファンがノスタルジックになりすぎている感情的な意見だといえる。ある経営者は、スカパー!の数字を見れば一目瞭然だと教えてくれる。
「Jリーグの放映権を失って以来、スカパー!の売上高は落ち続けています。その公表された数字で興味深いのが、売上高よりも、営業利益や純利益が大幅に落ちているんです。これはどういうことかというと、安く仕入れて高く売っていた商品がなくなったことを意味すると言えますよね。実際に、DAZNはドコモユーザーなら月額1,000円で、それ以外は1,750円でJ1J2全試合が視聴できます。スカパー時代は同条件のプランで3,500円でしたから、半額以下に下がったわけです」
スカパー!は、Jリーグの放映権の価値を年間約40億円としていたが、DAZNは約200億円を用意した。この金額について、DAZNのアカウント・ディレクターであるディーン・サドラー氏は、写真家でノンフィクションライターの宇都宮徹壱氏の取材に対し、「われわれはJリーグの放映権を得ることだけが目的ではなく、Jリーグに投資することで、現状からより(リーグの価値を)高めていきたいという明確な目標がありました」と語っている。
確かにJリーグは、スカパー!にお世話になっていた。だが、スカパー!にJリーグを発展させていこうという意図があったかは、数字を見る限りでは伝わってこない。
そういった事実を踏まえてみると、DAZNのCMにリアリティが湧いてくる。スカパー!は浦和レッズの試合など、人気クラブの試合は地上波で放送をさせなかったと言われている。DAZNのCMでいうところの鎖国状態だったのだ(参照記事2)。
スカパー!が売上を回復させるには、自らがコンテンツを育てるという姿勢が必要なのかもしれない。江戸幕府が開国に踏み切り、異文化を受け入れ、この国を発展させたように。
(文=TV Journal編集部)
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