視聴率4%台突入! フジ月9『海月姫』の工藤阿須加は、芳根京子以上にヒロインだ!!
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■蔵之介の「長男」っぷり
告白されたことを、月海は、無神経にも蔵之介に優しい笑顔で語る。
「不思議なんです、この感覚。心の臓が激しく脈を打ち、神経が引きつるような痛みを伴い、なのになぜか不思議とつらくないんです。むしろこの痛みが心地いいんです。このまま死んじゃってもいいくらいに」
「よかったじゃん」「おめでとう、でもクラゲ服の方も頑張ってもらうからな?」と、いったん自分の感情を引っ込める蔵之介。このへんは設定変更されて「長男」となったことが生きている部分かもしれない。
後半「私にとって蔵之介さんはクラゲのお姫様なんです」と、月海はふと口にしていた。まだ男性として意識していないのだろう。だからこそ、苦手な男性なのになんでも話せる関係になっているのだが(そもそも女装だし)。
恋模様を交えつつ、なんとか売れそうな手頃っぽいワンピースなどを完成させるが、インド人の裁縫屋・ニーシャからは「めっちゃダサいやん」と酷評される。
ニーシャは、ちまたに溢れるファストファッション(ユニクロとかH&Mみたいな流行デザインを低価格で作るアパレル)批判をぶちまけたあげく「この業界は、とっくに終わってんねん」と吐き捨てる。当たり前だけど、服飾系のスポンサーは入っていなかったので一安心。
酷評され落ち込んでいた月海だが、「毒クラゲ」というコンセプトを思いつき、真っ白で物たりなかったデザインを染め上げる。
■父親の愛人に会いに向かった海外
自分の異母兄弟である蔵之介の実母・リナにジェリーフィッシュのドレスを届ける修。まさかのイタリア・ミラノ。5話の韓国といい、意外と世界を股にかける展開だが、予算的な問題か、まったくミラノの映像はなし。
初めての恋を謳歌している修は、父の愛人でもあるリナに初めて正面から向き合い、嫌いだったという彼女を理解しようとする。
「誰かのことを本当に好きになると愛おしくて苦しくてどうしようもなくて気持ちを抑えることができない」
「だからもう僕に謝らないでください。悪いと思わないでください」
女性嫌いの根源となったリナに、それを伝えにきたという。恐ろしい行動力だ。
別れ際、「蔵之介には今、恋人がいるの?」とデリケートなことを聞くリナに「大切に思っている女性はいると思います」と、蔵之介が月海にキスをしていたこと(5話)を回想しながら答える修。
もしも蔵之介がその子(月海)とうまくいくようなことがあったら「たくさん蔵之介を愛してあげて、私の分まで」と、その子に伝えて欲しいと、酷なお願いをするリナ。これは布石になりそうだから、覚えておきましょう。
■あらたなイケメンが三角関係に乱入?
月海が出来立ての店に向う途中、謎のイケメンが新たに登場。バイリンガルのカイ・フィッシュ(賀来賢人)は、そのまま出店を手伝うが、実は海外に150店舗ものセレクトショップを手がけるアパレルの社長であることが判明。
3億円でドレスのデザインごと売ってほしいとの提示に「これで一発逆転だ!」と喜んだ蔵之介だが、「デザイナーのMiss月海、貴方と一緒に」と、カイは意味深な付け足し。
金持ちの息子の蔵之介に輪をかけたハイパー金持ちで、都合よすぎるくらい渡りに船だが、ジェリーフィッシュの出店に対し「何日あったって売れません」「あそこ(出店スペース)は負け犬の集まり」と、不穏なことを平気で言う。そんなカイと蔵之介が、次回激突する模様。
蔵之介、修、カイ・フィッシュと、まさにこの世に春といった感じのヒロイン月海だが、このドラマを見ていると、つい修を気にしてしまう。高学歴はともかく、冴えない具合は月海以上だし、実母とのことで悩みつつも自由に生きる蔵之介に対し、しがらみまみれの親の秘書を務めつつ、リナと父親の情事を目撃してしまったというトラウマを乗り越え成長していくさまは、月海以上に応援したくなるし、不器用に月海と接しながらも、たまに笑顔を見せると、ついうれしくなってしまう。
彼こそがこのドラマの真の「ヒロイン」なのでなないか?
最後、せっかく隠した権利書が、鳩サブレーの空き缶に入って埋められているのがあっさり稲荷に見つかってしまった。次回、修をヒロインとして楽しみつつ見てみたい。
(文=柿田太郎)
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