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日刊サイゾー トップ > 海外  > 中国の『紅白歌合戦』で黒人蔑視騒動

中国の『紅白歌合戦』で黒人蔑視騒動! アフリカ人に扮した“黒塗り顔”の芸人が、猿を連れて登場……

アフリカ人のお母さん役を務めた中国人女性。中国でも有名な女優、脚本家兼プロヂューサーだという

 寸劇が始まり、物語が進む中、アフリカ系の女性が中国人の男性に対して「私のお母さんに会って」と言い、そこに登場したのがお母さん。ところが、そのお母さん役を演じていたのは顔を黒く塗った中国人女性だった。

 アフリカ人女性の体形を表そうとしたのか、お母さん役はお尻がかなり大きく強調され、しかもその後ろにはカゴを背負った猿を従えていた。この猿を演じていたのは、アフリカ人男性だといわれている。

 演目の終盤には、このお母さん役の女性が、私は若い頃に中国の医療によって命を助けられたと言った後、「我愛中国人民、我愛中国!」と叫び、会場に集まった観衆からは大きな拍手が巻き起こっていた。

 しかし、これをテレビで見ていた人たちの中には、眉をひそめる人も多かったようだ。

日本でも年末にの番組で顔の黒塗りが物議をかもしたばかりだが、中国の春晩のほうは、猿や体型(さらに、お母さんが土産に持ってきたのは果物だった)など、人種的な偏見を強調したものとなっていた

 外国人向けに上海をはじめ中国全土の話題を伝える英文サイト「Shanghaiist」では、演目終了後にTwitterやウェイボー(微博)上で流れたコメントを紹介し、多くの人がこの演目が人種差別的だったことにショックを受けていると述べている。

 申(猴)年だったら、「干支の動物を出しただけ」とごまかすことができたかもしれないが、戌(狗)年の今年はそうもいかない。

 しかも、かつては中国国内のテレビだけでしか見られなかった『春晩』も、今ではネットにより世界中で視聴することができるようになっている。中国の番組はすべて中国当局の検閲を受けており、春晩のような大きな番組では、数カ月以上前から内容は入念にチェックされている。

 今回の騒動は、図らずも中国政府の人種差別に対する無頓着さを露呈してしまったものといえる。
(文=佐久間賢三)

 

最終更新:2018/02/27 19:01
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