人助けよりSNS優先……目前で男に襲われ泣き叫ぶ少女を放置して動画撮影する人々
#中国 #SNS #海外ニュース
誰もが、いつでもどこでもスマホを使って写真や映像を撮り、それをすぐさまネットにアップする現代だが、その弊害を象徴するような事件が中国で起こった。
2月上旬、広東省梅州市にある田舎町の路上で、10代の少女が中年の男にいきなり押し倒された。少女は泣き叫んで抵抗したものの、男は少女を離すことなく、路上で抱きついたままだった。
そのすぐ近くに人がいたようだが、誰も助けない。それどころか、少女が押し倒されて泣き叫んでいるところを、スマホで撮影していたようだ。その映像がネットに流されている。
その映像を見ると、少女は泣きながら「抱きついて何するのよ!」と叫ぶが、男は「何もしてない。ただちょっと抱きついているだけだ」と言い、抵抗する少女の手を払いのけ、少女に強引にキスをしようとする。その映像を撮影している人間は、少女を助けることなく、ただその模様を撮影し続けるのみ。
ようやく警察が駆けつけ、少女は助けられたが、少女は地面に座り込み、大声で泣き続けていた。
この映像を見た中国のネット民たちは、この場にいた人たちに対して呆れるばかりのようだった。
「女の子がこんなに泣き叫んでいるのに誰も助けもしないとは……」
「これを撮影していたヤツに人間性っていうものはあるのか?」
「撮影していたヤツだけじゃない、周りにいたヤツら全員がゴミだな」
中国の農村といえば、人間関係が濃く、おせっかいなほど他人に関心を持つ人が多かったはずだが、スマホやSNSがそういった人たちの心をここまで変えてしまったのだろうか。過剰なデジタル依存により、目の前で起こっている出来事をリアルなものとして感じることがなくなり、自分とは直接関係のない、テレビや映画の映像のように感じているのかもしれない。
(文=佐久間賢三)
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