ダイエット番組に見るテレ東と日テレの違い……テレ東は、お家芸だった「参加者への負荷」手法を捨てた!?
#日本テレビ #テレビ東京
いつの世も「痩せたい」と願う人は後を絶たない。肥満体型になると見た目が気になるし、健康的にもリスクが出てきがちだ。
でも、そう簡単には痩せられない。中には、生活習慣そのものから改善を図るダイエット合宿に臨む人もいるだろう。
これを、そのまま番組にする手法がテレビ界にはある。厳しいトレーナーが目を光らせ、参加者に負荷(食事制限やトレーニング)をかけ、ダイエットの成功を目指す。バラエティとして鉄板の内容である。
■徹底的な負荷の反動で感動を呼ぶ日テレの手法
日本テレビで不定期放送されている特番『ダイエット・ヴィレッジ』は、その典型だ。昨年11月に放送された第6弾には、個性豊かな面々が合宿に参加した。動きに支障があるため日常生活でマジックハンドが手放せない者。1日に唐揚げを48個食べる者。弱った肝機能がアンモニアを処理しきれず、酸っぱい臭いの汗が出てしまう者。肥満が原因で流産してしまった者。
合宿が進むにつれ、期待通りの展開が訪れる。トレーナーの厳しい指導にキレて参加者が逃げ出そうとしたり、やる気のない仲間にブチキレて殴りかかる者が現れたり、トレーニングをさぼる仲間の監視を買って出る“リーダー気取り”が空気を悪くしたり……。
こうしたギスギスの末に目標を達成するから、視聴者は感動する。日々のゴタゴタを覗き見するハウスショー的な要素と感動のエンディング、一気に両者が楽しめる魅力的なプログラムだ。
■『ASAYAN』が本家だった、負荷を楽しむ手法
そして、2月19日に放送された『ダイエットJAPAN』(テレビ東京系)。どうにも期待してしまう。合宿で参加者に強烈な負荷をかけ、人間模様を楽しむのは同局のお家芸だからだ。『ASAYAN』(テレビ東京系)でのモーニング娘。オーディション合宿と、この手のバラエティの楽しみ方は、ほぼイコールの関係にある。
しかし、今回はどうやら毛色が違ったよう。まず、参加者が日本人ではない。脂ギトギトの食生活が一般的なサモア、糖質まみれのメニューが人気の南アフリカから4人のおデブちゃんをスカウトし、日本で合宿させるのだ。
番組は、彼らをどうしようというのか? 厳しいトレーニングを課したら、国際問題になりかねない。……大丈夫である。ダイエットの手段は「和食」であった。
我々からすると、なんの変哲もない鯖の塩焼きや、かけそば、湯豆腐を食して「たまらない!」と驚愕する異国のおデブちゃんたち。普段よりも明らかにボリュームは少ないはずだが、箸で食べるのでスピードがゆっくりになり、満腹中枢が刺激されて量が抑えられる。ただでさえ低カロリーの和食に“スピード”“少量”“美味しさ”といった要素を加え、減量とモチベーションに拍車をかけている。
もちろん、ハウスショー的な要素も盛り込んである。今回の合宿に参加した男性フリーカメラマンのパバロ(25歳)は、南アフリカの良家で育った問題児だ。街へ繰り出すや、ロケ中にオーストラリア人女性を勝手にナンパし始める自由っぷり。貴乃花考案のエクササイズ「シコアサイズ」をやり終えるや、窓を開けて「タカノハナ、見てるかー!」と絶叫する不遜っぷり。
番組は、次第に彼へフォーカスし始める。
起こるトラブルの種類は、日本人も外国人もそう変わらない。なぜかパバロ、合宿中に体重が増加することがあるのだ。確かにダイエットに停滞期はつきものだが、パバロは他の3人に比べ体重が減らなすぎる。
探偵を雇って追跡すると、なんのことはない。隙を見て彼はコンビニに行き、小遣いでスイーツ(ハーゲンダッツやスニッカーズ、アルフォートなど)を購入していた。さすがは、お金持ち……。「ウォーキングだよ」とバレバレのウソをつき、部屋からコンビニのレシートやスニッカーズの袋が見つかる脇の甘さからも、両親に溺愛された甘えん坊気質が表れている。
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