『M-1』準優勝コンビ・和牛の憂鬱……「ネタが評価されている」弊害も?
#お笑い #M-1 #和牛
優勝したコンビよりも、準優勝のコンビのほうが売れる──。近年、お笑い賞レースではそんなジンクスがあるが、昨年12月の『M-1グランプリ2017』については、優勝したとろサーモンも準優勝の和牛も、ともに順調といえそうだ。
「とろサーモンについては、平場のフリートークももともとうまいので、トーク系のバラエティー番組のスタッフも安心してブッキングしています。一方の和牛ですが、トークのほうはまだまだといった印象。それよりも、視聴者からの“ネタが見たい”という声が多いんです。だから、トーク系のバラエティー番組でも、ひな壇でブッキングするのではなく、特別ゲストみたいな感じでネタだけを披露してもらうというパターンがありますね」(バラエティー番組関係者)
2月11日に放送された『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)では、ゲストの北村匠海が好きなお笑いコンビとして和牛が登場。北村と3人で和牛のネタを披露したが、和牛の2人はひな壇に座ることなく、フリートークもほとんどなかった。
「現状では“和牛はネタ”というイメージが強く、制作サイドもネタを期待してブッキングしています。本人たちもネタに対するこだわりが強く、ネタを期待されて番組に呼ばれるのはうれしいと感じているようですね」(同)
しかし、ネタの評価が高い芸人は、トーク系バラエティー番組には呼びにくくなるというジレンマもある。バラエティー番組を手がける放送作家はこう話す。
「芸人さんがバラエティー番組に出る時は、基本的に“イジられてナンボ”ということになるんですが、“ネタが評価されている”というイメージで出てくると、途端にイジりにくくなる。たとえば、話題のミュージシャンが出てきて1曲披露するなんていうパターンがありますが、それと同じような感じになってしまうんです。漫才師にとってネタを評価されることは歓迎されるべきなんですが、テレビで活躍する芸人になるには足かせになってしまうケースもあるということです」
むしろ和牛はこれからが勝負ということとなりそうだが、いわゆる“東京の平場”で和牛が活躍できる可能性はあるのだろうか。
「ボケの水田信二は元料理人というキャリアがあり、すでに関西では“料理芸人”としての立場を確立しつつあります。また、水田が先輩後輩問わず異常に神経質な性格を披露していることもあり、エピソードには事欠きません。一方で、ツッコミの川西賢志郎もトーク技術については折り紙付きですし、関西の若手の中では今、ミキ・亜生とともに女性人気が爆発している。本人たちは今年年末の『M-1』優勝こそが第一目標でしょうが、その前に全国的なブレークを迎える可能性も、決して小さくないと思いますよ」(関西在住のお笑い専門誌ライター)
賞レースでは結果を出しても、バラエティー番組ではまったく見かけない芸人は少なくない。和牛の明日はどっちだ!?
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