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日刊サイゾー トップ > 社会  > 「転売スクール」に騙されるな! 

「転売スクール」に騙されている場合じゃない!? 今、最も転売で稼げる商材はトイレットペーパーの芯だった

※イメージ画像

 こんな新手のビジネスがあったとは。先日、オリジナル作品を販売するアートイベント、デザインフェスタに出展していたショップへの返金騒動を契機に、「転売スクール」なるものが注目を集めているのをご存じだろうか。

 この返金騒動自体「発達障害の妹が大量購入してしまった」として、実在しない障害者の姉になりすまし返金を求めるという、どうしようもないものだった。その真実が明らかになる過程で、大量購入の目的が「転売スクールの課題のためだった」ことが明らかとなり、一躍「転売スクール」というワードに注目が集まったのだ。

 転売スクールという言葉で検索すると「○○式」だとか「資金ゼロから始められる」などの文言が飛び出してくる。それらは「副業になる」「月10万円は稼げる」などのうたい文句で、さまざまなノウハウをセミナーの形で提供している様子。

 セミナーのシステムはさまざまで、オンラインや対面などの授業形式で転売で稼ぐノウハウを教えたり、アドバイスをする仕組みだ。中には月約契約で、転売で利ざやを稼ぐことができる商品を卸したりするサイトもある様子。さらには、スクールのサイト上で今後発売される人気の出そうな商品を紹介。予想される転売価格と、得られる利益を記しているサイトも。

 いずれにしても、“転売ヤー”が新たなビジネスのスタイルとして転売の方法を教えて、授業料で利益を得るというもののようだ。

 その上で、転売スクールが話題になっているのは、冒頭で記した返金騒動が「転売スクールの課題」だと告白された件である。ここからは、転売スクールでは商品が売れ残った場合、虚偽の理由をつけて返金を求めるノウハウを教えているのではないかという疑惑が。

 果たして、実際に転売スクールでは、そんなモラルのない方法をレクチャーしているのか。さっそく真偽を確認するべく、いくつかの転売スクールに取材依頼をしてみたが、返事はなかった。

 こうした転売スクールの中には、「月商1,000万円」など景気のよい話が記されている。実際に、そのようなことが可能なのか?

 これまで、ヤフオク!に始まり、Amazonで古本を転売、メルカリにも手を出して副業収入を目指したことのある人物は語る。

「もちろん、それなりの収入を得ることができるんだろうと思って始めたのですが、今まで儲かったと思ったことは一度もありません」

 これまで、幾度も転売の利ざやで稼ぐことを夢見て実践したものの、そのたびに「本業をやっているほうがマシ」と、すぐに手を引いたのだという。

「例えばAmazon。売れ筋の本はライバル業者が刻一刻と1円単位で値を下げてきます。それに、売れない本は在庫として保管しなくちゃいけない。そして、売れたらすぐに梱包、発送……1日数時間の副業じゃ無理でしょう」

 経験者から語られたのは、そんな悲惨な実体験ばかりだが、メルカリでは唯一「稼げた」と思う瞬間があったという。

「トイレットペーパーの芯です。どうも工作に使ったりする人がいるようで。50本とか100本とか、まとめて出品すると500円くらいで売れるんです。ですから、今は日常でゴミにしてしまっているもので売れるものはないか、いろいろと挑戦しているんです」

 苦労の割に、まったく儲かった気のしないシステム。転売スクールに高額な授業料を払って夢見るくらいなら、時給がうなぎ登りの牛丼屋やコンビニで短時間でもバイトしたほうがマシだろう。
(文=是枝了以)

最終更新:2018/02/15 21:00
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