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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム > 週刊誌スクープ大賞  > “小室不倫”の文春に一家言
週刊誌スクープ大賞

元・名物編集長が“小室不倫”の文春報道に一家言「不倫を含む『スキャンダル』と『メディア批判』」が週刊誌の役割

 ところで、スポーツ・ジャーナリストの玉木正之によれば、「相撲はスポーツと興行と神事がバランスよく成り立っている」そうだ。

 だが、今は、興行だということが忘れ去られ、相撲が何か神聖なものだと勘違いされているのではないか。

 これも玉木からの受け売りだが、相撲は神代の時代から続いてきた「国技」などというのは真っ赤な嘘で、旧両国国技館ができた時、披露文の作成を依頼された作家・江見水蔭が「そもそも相撲は国技」と書き、新しい常設館に「国技館」と名付けたことに由来するのだという。

 しかも、常設館ができるまでは回向院の小屋掛け興行で、雨の日は中止の晴天10日興行だったそうだ。

 私の子どもの頃は、確か年に4場所、その後、年5場所になり、昭和33年から年6場所になった。

 多すぎる。これに巡業が加わり、相撲取りはケガをしてもゆっくり直している暇がない。

 そのために稀勢の里のようなガチンコ力士と「ウワサ」される相撲取りは、けがが多く休場の連続になる。

 協会の金儲け体質に歯止めをかけ、せいぜい年に4場所ぐらいにすべきだ。なぜそういう声が上がってこないのか。

 先日の『とくダネ!』(フジテレビ系)で、相撲通のやくみつるが、白鵬は今度出てきたら、開き直って張り手やかち上げをどんどんやるべきだ、と話していた。

 私もそう思う。体力の衰えた横綱が、生き残るためにあらゆる手を使って勝ちにいく。そうした生き様を若い力士たちに教えてやるのも横綱の務めではないのか。

 協会は、朝青龍のいない土俵を支え、相撲人気を復活させた白鵬にもっと礼を尽くすべきだ。

 品格などという人間が一番品格がないこと、いうまでもない。

 このところ大相撲中継を毎日見ている。といっても、仕方なく見ているのだが。

 先週の始めから坐骨神経痛になり、3歩歩むことさえできない。強い痛み止めを処方してもらい、座薬ももらっている。だが一向に良くなる気配がない。医者は「すぐにはよくなりませんよ」とそっけない。1週間以上部屋に籠もりっきりである。

 そんなわけで注目の3横綱の相撲を初日からじっくり見た。稀勢の里は貴景勝に押し込まれ、行司は稀勢の里に軍配を上げたが、物言いがついて差し違え。

 ケガからの完全復帰はまだ遠いと感じさせた。鶴竜は久しぶりの土俵だが、闘志がみなぎり体全体に張りがある。立ち合いに頭と頭がぶつかり、さすがの北勝富を怯ませ、屠った。

 白鵬は迷いが表情に出ていた。立ち合いの張り手は品格に欠けるという批判にもめげず、私は、彼ならやるのではないかと思った。迷いが立ち合いに出た。阿武咲を受け止められず後退しながら、体を入れ替えての辛勝。

 初日に、3横綱の明暗がはっきり出た。白鵬は4日目の嘉風戦で足の指をケガしたという理由で5日目から休場。

 稀勢の里は4日目までで1勝3敗。彼もどこかで休場に追い込まれるに違いない。

 稀勢の里の場合はケガが完全に直れば、万が一の復活があるかもしれない。だが白鵬は難しいと思う。

 年齢的なこともあるが、昨秋からの日馬富士騒動で、メディア、特にテレビ、週刊誌に叩かれたことがあるのだろう、気力が萎え、勝利への執着心を失ってしまっている。

 おそらく、貴乃花部屋の新小結・貴景勝と顔が合っていれば、無残な結果になっていたのではないか。

 国民栄誉賞をもらってもおかしくない功績を遺した大横綱を、こうした形で引退に追い込んだとしたら、大相撲の歴史に朝青龍とは違った「汚点」を残すはずだ。

 文春は、8週続けての貴乃花関連大特集である。巻頭は「白鵬が極秘接触する八百長キーマン」だが、申し訳ないが、何をいおうとしているのか、私のような、まだらボケにはよくわからない。

 現在、親方株数は一代年寄名跡を除けば105しかないそうだ。これを持たない者は協会にいられない。

 1月13日、貴乃花部屋付きの親方である、音羽山親方(元前頭・光法)の廃業が協会で承認された。文春によると、これは、貴乃花一門に属する阿武松部屋の部屋付き親方、大道を残すために貴乃花が苦渋の判断をしたという。

 すると光法を救済するべく、白鵬が動いたというのだ。その目論見はこうだ。かつて八百長にもかかわり、その後暴力事件を起こして角界を追放された元親方が所有している空き親方株を買い取って、光法へ渡すというもの。

 だが、文春によれば、この人物に電話をしたが出なかったという。結局それだけの話である。

 文春は、白鵬は日本へ帰化する覚悟を決め、自分のシンパを多くして理事長になる「野望」があり、自分がそうなった暁には、国籍の縛りも変えていきたいと考えているという。

 私は、国技などという曖昧なものを後生大事にしている大相撲を改革していくためには、審議員のように相撲をよく知らないヤメ検たちの天下りを排除して、相撲取りの、相撲取りによる、相撲取りのための相撲界を作り上げる必要があると思っている。

 白鵬と貴乃花が、理事会で丁々発止やるのもそう遠いことではなさそうだ。

 今週の第1位はやはり文春砲だ。今回は90年代のJ-POPシーンを創り上げた音楽プロデューサー・小室哲哉(59)の不倫である。

 相手は、以前からニンニク注射を打ってもらっていた看護師というのだから、注射を打ってもらって、今度は小室が彼女に注射を打っていたという話のようだ。

 だが、事はそう簡単ではない。華原朋美を含め、過去にさんざん浮名を流してきた小室だが、2002年にglobeのボーカル、KEIKO(45)と再婚している。

 結婚式には5億円かけたそうだ。だが、11年にKEIKOをクモ膜下出血が襲った。

 以来6年の間、リハビリに取り組むKEIKOを小室は傍らで支え、メディアの取材にも「僕にはこの人しかいない」「彼女に寄り添いたい」と献身を語ってきたという。

「小室とA子さんの出会いは数年前、彼女が看護師として勤めていたクリニックで、ビタミンB1を主成分とする“ニンニク注射”を受けたときに遡る。やがて小室のスタジオ、そして自宅に彼女を呼んで個別に接種を受けるようになり急接近。患者と看護師だったはずの関係が、いつしか男女の仲へと発展した。」(文春オンラインより)

 文春は、昨年末から今月にかけて、小室の“背信”現場を目撃したそうだ。

「12月中旬にある女性宅に泊まり、1月上旬には都内の高級ホテルで密会。ふたりは夕方、腕を組み部屋を後にした。そして1月13日、KEIKOを大分の実家に帰したその日、同じ女性を自宅に入れ、一夜を共にしたのだ」

 リハビリ中の妻を実家に行かせて、その間に女性を引っ張りこむ。これは一番まずいパターンだ。

 A子の存在を告げた文春に、KEIKOの母親は「ショックです……」と言葉少なに語ったという。

 さて、小室は何と弁解するのだろうか。

「自らの不倫疑惑については『誤解を招く甘い言動が多々ありました。本当に申し訳ないと思っています』とした上で“男女の関係”を否定。だが、A子さんと自分の部屋で“一緒に寝た”ことは認めた」(同)

 看過できない言葉がある。KEIKOに話したのかという文春に対して、「昨日、話しました。『大丈夫だ』って言ってました」と答えている。

 だが、奥さんの容態は、「生活はできますけど、僕の具合が悪いときのケアは何一つできない。『入院するね、行ってくるね』と言っても、いつ帰ってくると理解せずに『行ってらっしゃい』っていう」と話している。

 失礼ないい方になるが、奥さんは、小室のやっていることを理解できない状態なのではないのか。

 かつては音楽界の帝王といわれた小室は、事業の失敗から借金を重ね、ついには詐欺罪で逮捕されて懲役3年(執行猶予5年)の有罪判決を受けた。

 そのどん底の小室を支えたのはKEIKOであった。その心労がたたり、病に襲われたのではないのか。その妻を裏切つたのだ。

 小室は、文春に対して、言葉を詰まらせながら「引き……時なのかなと思い始めている」と語っている。

 私にはわからないが、音楽シーンは次々に新しいものを求めてくる。小室の多くのヒット曲も、いまでは「ナツメロ」になってしまっているのだろう。

 私は小室のファンではないが、同時代に一人の男の栄光と挫折を見せてもらった。なんとなく「哀れ」な不倫物語である。

 文春が出てすぐに、小黒が記者会見を開き、この業界から引退すると発表した。

 妻KEIKOの病状も語り、時には涙を見せいていた。

 この会見の後ぐらいから、SNSで「クソ文春」などという文春批判が巻き起こり、私のところへも、女性セブンと東京新聞から取材の電話があった。

 私の考えはこうだ。

「週刊誌は創刊以来、不倫を含む『スキャンダル』と『メディア批判』は大きな柱。けしからんという声は昔からあったが、そこは揺るがない。文春だって引退させたいと思っていたわけではないだろうし、多少の批判で撤退するほど週刊誌はやわじゃない。これだけ不倫報道が注目されるなら、今後も情報が手に入れば不倫報道は続くだろう」

 おそらく文春は、ベッキーの不倫で、こうしたもののおいしさがわかったのだろう。一粒で2度おいしいのが不倫報道である。

 不倫報道→当人の謝罪または、否定会見→否定すればそれに対しての反論報道と、一つの話で何回もやることができる。

 斉藤由貴のケースが典型である。それには文春の読者の半分が女性だということもある。

 女性は不倫報道に関心が強い。新潮が乙武の5人不倫を掲載したが、部数はほとんど動かなかったのは、女性読者が少ないからである。

 推測するに、不倫報道の多くは、当事者の周辺にいる人間からのタレコミであろう。「あんなことをしている人間は許せない」「奥さんがかわいそう」などという動機から、「文春ならやってくれるだろう」と連絡をするのだ。

 不倫報道などするな? 週刊誌というものは、くだらない不倫や、つまらない安倍批判や、最低の大相撲など、新聞やテレビがやらない、できないことをやるのだ。

 そこを無視した批判などに、ビクともしないはずだ。

【巻末付録】

 今週は力が入っていない。ポストからいこう。巻頭は西田幸樹の「なをん」。いつもいうことだが、このページにはいい女が出るね。

 もう少しセクシーに撮ると、思わず……したくなるだろうな。

 袋とじは「おっぱい当てクイズ」。顔を見ただけで、このおっぱいは誰ってわかるか?

 最後は「木内美穂 20年ぶりの特別掲載」。昔はこれが衝撃的だったんだろうな。

 現代は「飯豊まりえ フレッシュ」。ドラマや映画で人気急上昇の子らしい。次は「川崎あや」。なかなかいい体の子だ。

 袋とじは「発禁処分のエロスたち」。検閲を掻い潜り取引されたエロ写真。昭和を彩った懐かしき発禁風俗雑誌、昭和男児を熱くしたノスタルジー「トルコ風呂」などなど。

 トルコにはずいぶんお世話になりました。というわけで、今週はどちらも熱気不足で引き分け。
(文=元木昌彦)

最終更新:2018/01/23 21:00
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