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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > “俳優”今野浩喜の現在地
ドラマ『カクホの女』今晩スタート!

「もう一度、トガり直したい」突然のコンビ解散から2年……“俳優”今野浩喜の現在地

■「演技力が高い」という評価

──今野さんの中で「演技力」って、なんだと思いますか?

今野 ああー、それはでも、ね。演技力と「売れる」が関係なさすぎるっていうのは、小劇場を見ていると思いますよね。ホントにみんな上手なんで。演技力ってなんなんだって聞かれたら、何かわからないけど、見て明らかに違いますよね。明らかに違う。

──見た瞬間、違う。

今野 見て、すぐ違うのがわかる人っていますよね。いくらつまらない芝居でも、目につく人がいる。そういう何かですよね。

──そういうものが自分の中に備わっているとか、身に付けたいとか、自分自身と「演技力」という言葉って、どんなふうにつながっていますか?

今野 そういう人の何かをパクろうとはしますよね。セリフのやり取りが上手だったら、それは芝居が上手ということなんですけど、じゃあ上手く見えるかっていうと違うし。「変だな、あの人」っていう印象のほうが、上手に見えたりすることもある。そういうのを、その場によって使い分けられるようになりたいですね。

──今でも、それぞれの現場で求められているものに回答しているという実感はあるんじゃないですか?

今野 うーん、どうだろう……。

──ガッカリはさせていないというか。

今野 ガッカリはさせてないと思いますけど。ただ、現場によっては「これ誰が情熱を持ってやってんだろう」みたいなところもあるじゃないですか。「このディレクターは何も見えてないな、画が」みたいな。というときは、現場に向けてやってもしょうがないんで、視聴率を落とさないようにっていうのを念頭に置くことはあります。

──数字に対する意識があるんですね。

今野 数字は、たぶん3本の指に入るくらい意識してます。

──それでいえば、『僕やり』は全話平均6.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、視聴率的にはコケてます。一方で、視聴熱といったデータでは非常に高く評価されていますが、それでもやっぱり、数字は欲しかった。

今野 数字は欲しいです。自分で上げようっていう意識より、自分が出ているときに下げてはいけないという。ヘタだろうがなんだろうが、「なんだ?」って思わせれば視聴率は下がらないと思うので、目に留まるようなことをしようとは思いますね。

──お芝居の仕事をしている中で、満足感を感じることってありますか? クランクアップとか、その日の現場終わりとか。

今野 満足感……うーん、満足感……。終わっての満足感は、特には感じてないのかな。むしろ始まる前のほうが楽しいです。情報解禁を待っているときとか、ポスターが出るときのほうが楽しい。

──それは、ミーハーな感覚なんでしょうか。

今野 そうかもしれないです。ものすごいミーハーだし。現場に入ったら、もう終わりが見えるし。

──では、先ほど情熱という話がありましたが、今野さんの中で情熱が燃える仕事というのは?

今野 燃える仕事は、もちろん番手のいい仕事はそうですけど、逆のこともあって。さっき言ったような、「なんだ、この現場は」「なんだ、この台本は」とか思うと、それはそれで情熱が湧くんですよね。どう出し抜こうか、どう成立させようかっていう。

■新作『カクホの女』超大御所だらけの現場で

──今年最初の連ドラは『カクホの女』(テレビ東京系、金曜20時)です。若手の多かった『僕やり』から一転して、名取裕子さん、麻生祐未さん、伊東四朗さん、鶴見辰吾さんなどなど、超大御所ぞろいの現場に入ってみて、いかがでしょう。

今野 あのー、なんか知らないんですけど、名取さんが、すごい話しかけてくれて。

──かわいがられてる。

今野 というか、当初「かわいい」って、すごい言われました。かわいがられるということじゃなく、直の話ですよ。「かわいい~!」って、すっごい言われて。

──顔が、ですか?

今野 顔なんでしょうね。髪型とかも、すっごいよかったみたいで。こっちも、なんかちょっと意識しちゃいますよね。そんなんなっちゃったら。

──おきれいな方です。

今野 おきれいです。

──意識しちゃいますか。

今野 しちゃいます。もう、そもそも『ミエリーノ柏木』(テレビ東京系/13年)のファンだそうで、「カッコいい役だったわよね」みたいな、すごく見てたみたいで、それをキッカケに話してくれて。

──名取さんが座長ですよね。それは超ラッキーな。

今野 ラッキーでしたね。

──もしくは名取さんが「この子、食べちゃいたいわ」と思ってネジ込んだか。

今野 それはないと思いますけど……。でもやっぱり、トガり直してたとこなんで、実際、誰ともしゃべってなかったんです。そしたら、いきなり名取さんから。だから、結局そういうことじゃんって思いました。トガろうがトガるまいが、結果を残していればそうなるんだっていうのは、自信が確信に変わったところはありましたよね。大楽屋でワイワイする必要はないわけだから。

──向こうが勝手に来る。座長が勝手に、かわいがってくる。

今野 座長にかわいがられれば、それでいいわけですから。でも、この記事が載って、出演者が読むと思うと怖いですね。みなさん番組名で検索するわけだから、これにたどり着いちゃうわけじゃないですか。怖いですよ。

──別に、2人でイチャイチャしているわけではないんですよね?

今野 でも、急に私だけに袋でアメをくれたりする。みんなもらってるかと思ったら、私だけ。イタリア製のアメをくれたりとか。

──『僕やり』では、共演者の窪田正孝さんと水川あさみさんがフライデーされていましたが、そういう可能性も?

今野 あるわけねーだろ! っていうのは失礼だし、アレですけど……。まあまあ、それはね。匂わせたほうが視聴率も上がるかもしれないですし。

──それはそうと、今回は鑑識の役ということで、鑑識といえば、大先輩で過去に共演もしている六角精児さんのイメージが強いです。

今野 やっぱり、そこは考えますよね。「鑑識=六角さん」が強いので、六角さんとは違うことをやろうとしすぎてます。

──台本上だけじゃなく、自分の中でも。

今野 これをぶっちゃけることが、いいことか悪いことかわからないですけど、私はいいことだと思うから言いますけど、台本が、そもそも全員にタメ口だったんです。というのも、もともと最初の準備稿が53歳の役だったんですね。それを、そのほうが面白いからそのままいきましょうってことになって。誰しもにタメ口というのは、六角さんとの違いも出ますし、面白いと思うんですけど、どう転ぶか、ちょっと楽しみですよね。

──好感度が下がるかもしれない。

今野 下がるかもしれない。どんどん話が進むにつれてエキセントリックさが増してるし。

──そんな『カクホの女』の見どころを教えてください。

今野 どういう言い方をすればいいんだろうな……。いわゆる、パッと見は、2時間ドラマのようなものだと思うんですよ。安心して見られるような。20時だし。そういう感じで見てたら「ビクッ!」ってすることが多々あると思うんです。「なんなのこれ!?」って。そういうところが見どころだし、自分でも見たいところですね。

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