トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 湯浅版『デビルマン』がヤバい秘密
『DEVILMAN crybaby』の凄さを担当プロデューサーに聞く

永井豪の伝説コミックが完全アニメーション化!! 湯浅版『デビルマン』がヤバすぎるその秘密は?

ヒロインとなる牧村美樹。第9話「地獄へ堕ちろ、人間ども」は号泣必至の“神回”となっている。

 湯浅監督が2013年に立ち上げたアニメ制作会社「サイエンスSARU」が『DEVILMAN crybaby』の制作を一括受けしていることも注目ポイントだ。「サイエンスSARU」は小さなアニメスタジオながら作業効率のアップに意欲的に取り組んでおり、2017年だけで劇場アニメ『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』、そして『DEVILMAN crybaby』と画期的な3本の長編アニメを完成させている。

新宅「通常のテレビアニメだと、放送スケジュールに間に合うように原画担当、動画担当……と分業化して多くのスタッフで作業を進めていくのですが、『サイエンスSARU』ではアニメーション用ソフトのフラッシュが大きく活用されています。炎や波など同じ動きを表現する場合は、フラッシュを使うことでスピーディーに仕上げることができるわけです。『DEVILMAN crybaby』の第1話と第2話はすべてフラッシュで作られています。第3話以降はフラッシュと通常のアニメーションづくりとのハイブリットスタイルですね。『SARU』のプロデューサーがうまく割り振ってくれています。第4話はコンテ・演出・原画を霜山朋久さんが、第9話は小嶋崇史さんが原画のすべてをそれぞれ1人で手掛けました。第5話はデビルデザインも手掛けた押山清高さんが、ほぼ1人で描いています。才能のあるクリエイターにひとつのエピソードの中の多くを託すことによって、クオリティーの高いものに仕上がったのだと思います」

原作でおなじみだった不良グループは、現代風にラッパーに置き換えられている。終盤での彼らの活躍も見逃せない。

 原作コミックでは描かれなかった主人公・不動明の両親が登場する第4話「明、来て」、原作でも人気の高い妖鳥シレーヌとデビルマンとの死闘を描いた第5話「シレーヌ、君は美しい」、そしてヒロイン・牧村美樹がフィーチャリングされる第9話「地獄へ堕ちろ、人間ども」は、それぞれ“神回”と呼べる迫力がみなぎっている。

「原作を読んだことのない若い世代に、永井先生が20代の頃に描いた『デビルマン』という素晴しい作品があることを知ってもらい、長く受け継いでもらえるようなアニメーションにしようと湯浅監督と企画当初に確認した」と新宅プロデューサーが語る『DEVILMAN crybaby』はかくして完成した。世界190か国(7言語吹替え、字幕23言語対応)に向けて現在配信中で、番組公式ツイッターには、英語、韓国語、フランス語、スペイン語など様々な言葉で熱い感想が届いているという。湯浅監督と新宅プロデューサーとのタッグ歴だけに限らず、日本のアニメーション界においてもマイルストーンな作品となりそうだ。
(取材・文=長野辰次)

『DEVILMAN crybaby』
原作/永井豪『デビルマン』 監督/湯浅政明 脚本/大河内一楼 音楽/牛尾憲輔 キャラクターデザイン/倉島亜由美 デビルデザイン/押山清高 アニメーション制作/サイエンスSARU
主題歌/電気グルーヴ「MAN HUMAN」
特別エンディング/卓球と旅人「今夜だけ」
声の出演/内山昂輝、村瀬歩、潘めぐみ、小清水亜美、田中敦子、小山力也、アヴちゃん(女王蜂)、津田健次郎、KEN THE 390、木村昴、YOUNG DAIS、般若、AFRA
Netflixにて世界同時配信中
c)Go Nagai-Devilman Crybaby Project
devilman-crybaby.com

 

最終更新:2018/01/19 10:16
12
ページ上部へ戻る

配給映画