『格付けチェック!』でYOSHIKIが正解した“100万円ワイン”はホント!? 専門家が語る「ペトリュス」の価値とは
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しかし、そのあたりの適正価格で入手ができるのも、河合氏のような専門的な“舌”と“見識”があってのもののようだ。何しろ市場には偽物もたくさん出回っている。河合氏によると「中でもペトリュスは、世界で最も偽造されるワインと呼ばれていたほど」だという。
「近年はラベルのインクや紙質なども鑑定されるようになり、ラベルの偽造がバレやすくなったんですが、本物のボトルを入手して安いワインを注入する連中まで出てきたんです。ペトリュスの場合、86年から瓶底に名前がエンボス加工されており、95年からは紫外線に反応するインクがラベルに使われるなど偽造対策をしたんですが、以前、中国人商人が大量の空きボトルをかき集めていたことがありましたから、偽ワインはネット通販などでかなり出回っていると思います」(同)
ボトルが本物でも安心はできないというのが、偽ワイン問題だ。
「人の舌は必ずしもアテにならず、それがペトリュスだと思い込めば、そう感じる人がほとんどなので、見破れる人はなかなかいません。偽物を買わされても、偽物だと気付かないままだったりします」(同)
また、5,000円のワインについて番組では具体的に何か明かされなかったが、河合氏は「5,000円でも、決して安ワインとは思いませんが、本来ペトリュスと比較で出題するなら、同じ品種のメルロ種100%のものなどを使うべきだったのでは?」と話す。
「ペトリュスはポムロル産ですが、ここは世界でも特殊な地層で、特にペトリュスの畑にしかない鉄分を含んだ粘土質の土壌は、この地区のほかにはなかなかないんです。番組で見た5,000円のワインは、テレビの画面を通してみると色調がかなり明るく、中尾彬さんが『スミレの花のような香り』とおっしゃっていたことなどから察すると、今回のクイズはわりとわかりやすかったようにも見えます」
奥深いワインの世界。YOSHIKIの舌は一流だったが、番組企画はもう少し洗練されるべきだったかもしれない。
(文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)
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