「講談社OBとして恥ずかしい!」名物編集長が“斜陽”の週刊誌業界に喝!
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さて、そうした意味も含め、今年は週刊誌礼賛ばかりではなく、厳しい批判もしていこうと考えている。
その記念すべき第1回目が、現代の「元自衛艦隊司令官・香田洋二氏」の記事である。
この中で、香田氏は「米朝戦争は必ずあるから韓国にいる日本人はいますぐ帰国せよ」と断言している。
その根拠はこうだ。
「韓国では来月9日から25日まで、平昌オリンピックが開催されます。続いて3月9日から18日までがパラリンピックです。
しかしアメリカ軍は、毎年春に行っている大規模な米韓合同軍事演習を、オリンピック終了後の3月2日から4月24日まで行うと、昨年末に発表しました。文在寅(ムンジェイン)政権としては、パラリンピックが終了するまで合同軍事演習の開始を待ちたかったことでしょうが、アメリカが押し切った格好です」
北朝鮮の金正恩が、平昌五輪への参加を表明し、9日には南北の会談が行われた。
トランプ大統領も、これを歓迎するコメントを出しているので、会談の話し合いいかんでは、一時的かもしれないが、緊張が緩和される可能性はある。
このインタビューは、たぶん昨年行われたと思うので、前提が違ってきているのは仕方ないが、香田氏はこうもいっている。
「私は、北朝鮮空爆の可能性が最も高いのは、真夏の7月頃と見ています。
この頃、いよいよ北朝鮮が、アメリカ本土まで届く核ミサイルを完成させたと、トランプ政権が判断。またアメリカ軍も、北朝鮮の核やミサイルの保管場所、開発工場や発射台の場所などを、ほぼ正確に掴んでいることでしょう。
11月に中間選挙を控えたトランプ大統領も、夏に北朝鮮を攻撃することは、政権支持率を浮上させるために、もってこいのタイミングです」
まさにアメリカの属国・日本の自衛官のトップにいた人間のモノの見方丸出しである。
こうしたアメリカ盲従主義の人間は、空爆がもし始まっても、韓国は危ないが、日本は大丈夫だと、理屈に合わないことを平気でいうのである。
「私は現実的に見た時、北朝鮮のミサイルが日本列島に落ちる確率は、極めて低いと思っています。
それは、北朝鮮が日本へ向けてミサイルを発射することは、金正恩政権にとって意味がないからです。
日本各地に米軍基地がありますが、もし北朝鮮が在日米軍基地にミサイルを撃ち込めば、その時点でアメリカは北朝鮮に対する全面戦争に打って出ます。そうなれば、金正恩政権は崩壊するわけで、そのような自爆行為を、金正恩委員長が決断するとは思えません」
この御仁、こんなことを本気で考えているとしたら、失礼だが、軍人として優れた人間ではなかったのであろう。
すべての可能性を考え、最悪の事態を招かないようにするのが、司令官としての務めではないのか。
アメリカが空爆しても、北朝鮮は韓国は攻撃しても日本は攻撃しない。そんなことがある訳ないではないか。
トランプも金正恩も尋常な神経の持ち主ではない。その2人が核のボタンを手に持っているという「恐ろしさ」を考えれば、安倍晋三首相のような度量のない考え方ではなく、文在寅大統領のような「圧力と対話」路線であること、子どもでもわかる。
こんな発言を無節操に掲載する現代は明らかにおかしいと思わざるを得ない。
講談社で昨年1番売れた本はケント・ギルバートの『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』だという。
この本に対しては多くの批判が巻き起こっているから、ここでは触れないが、講談社OBの一人として、恥ずかしい。
平昌五輪へ北朝鮮が参加し、軍事演習をトランプが中止して、なんとしてでも金正恩を対話の席に引っ張り出す。これしか和平のための選択肢はない。
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