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2018年はどうなる日本サッカー界! 厳冬期から春へ向かう中、ファンとメディアに求められるものとは

Jリーグ公式サイトより

 2013年(参照記事1)、14年(参照記事2)、15年(参照記事3)と厳冬が続いた日本サッカー界だが、16年には「日本サッカー界の春」の訪れが感じられた。

 FIFAクラブワールドカップ2016では鹿島アントラーズが決勝まで勝ち上がり、16年視聴率総合ランキング8位となる26.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)という驚異の視聴率を叩き出し、日本サッカーはオワコンではないというのを証明してみせた。

 それを物語るように、17年からJリーグの放映権が年間40億円から210億円にアップ。これにより、17年のJリーグ優勝チームには、賞金や配分金含めて前年の4倍となる約21億円が支給される。浦和レッズや鹿島のチーム人件費が約20億円ということを考えると、2017年のJリーグを制したチーム、つまり川崎フロンターレは過去にないフェーズに突入したことになる(参照記事4)。

 そういった背景もあり、17年は過去にないほど移籍が活発に行われた。

 そんな中、開幕前に横浜Fマリノスの“レジェンド”である中村俊輔が、チームへの不満からジュビロ磐田に移籍したのが暗い話題として取り上げられたが、これは日本サッカー界のメディアの稚拙な報道である。退任が決まっている横浜のモンバエルツ監督は、若手を育てるのに定評があり、堅守速攻型の監督であった。横浜で中村に居場所はなく、その反面、モンバエルツ監督が若い斎藤学などを活かしていたのも事実。中村の移籍は、横浜も磐田も「Win-Win」の移籍という認識が、ワールドスタンダードである(参照記事5)。実際に、横浜はリーグ戦5位、天皇杯も準優勝と結果を残した。

 そのJリーグを運営する事務局も、健全化が進んでいる。

 Jリーグナンバー3だった中西大介常務理事が「セクシュアルハラスメント及びパワーハラスメント」で辞任させられたことは、その証左ともいえる。以前から、中西氏の無能ぶりを筆者は糾弾してきたが、声に反比例するかのように中西氏は出世を続ける。だが、ここにきて失脚したというのは、Jリーグに自浄作用が働き始めたという側面もあるのではないだろうか(参照記事6)。

 ここまでを読むと、日本サッカー界の18年は明るそうだが、心配事もいくつかある。

 それは、サポーターや選手のリスペクト精神の低さが生む騒動である。17年にはガンバ大阪サポーターがナチス旗を掲げたり、鹿島と浦和の選手たちが舌戦を繰り広げたりと、スポーツとはかけ離れた行為が散見していた(参照記事7)。日本人はよく「サッカーは戦争だ」と言い、勝利への執念を引き出そうとするが、「それは本当の戦争を知らない人の言葉」(元クロアチア代表・ボバン)という苦言を謙虚に受け止めるべきだろう。

 そして、18年を左右するのがFIFAワールドカップ2018ロシア大会に挑む日本代表の結果である。ワールドカップで日本代表がグループリーグで敗退すれば、再び日本サッカー界は冬の時代に戻ってしまうのは、史実が物語っている。

 ワールドカップで結果を出すためにも、メディアは「ハリルホジッチ監督でグループリーグを突破できるのか?」という議論をすべきなのに、ハリル監督に傾倒するライターたちは「ハリル監督どうこうよりも、日本人選手たちの戦術理解度が低い」と論点を変えてしまっている(参照記事8)。

 ワールドカップ2006ドイツ大会に臨むジーコ監督の時も「選手たちの自主性を」といった報道に終始し監督を擁護、結果、惨敗を喫したのを忘れているかのようだ。

「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」という言葉があるが、日本サッカー界は同じ過ちを繰り返してしまうのだろうか。

 日本サッカー界の18年が明るくなるかどうかは、日本代表を率いるハリル監督と、そのハリル監督を評価する日本サッカー協会はもとより、その日本サッカー協会を監視するメディアと、日本サッカー界を支えるファンの偏差値次第である。
(文=TV Journal編集部)

最終更新:2018/01/05 18:52
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