もう中国に未来はない!? 妊婦たちが「子どもの米国籍」求めてサイパンに殺到中!
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日本人にもビーチリゾートとして人気の高い北マリアナ諸島の島・サイパンに、大勢の中国人観光客が訪れるようになっている。それだけならサイパンの観光産業を大いに潤おすことになるので、地元の人たちは大歓迎なのだが、その一方で、歓迎されざる別の問題も起こっているという。
それを伝えているのは、アメリカの新聞「ウォール・ストリート・ジャーナル」で、中国のニュースサイト「謄訊網」がそれを引用する形で伝えている。
記事によると、サイパンはアメリカの領土だが、2009年に中国人観光客に対するビザ免除政策が実施されて以来、中国人はノービザでサイパンに45日間滞在できるようになった。上海や広州などの大都市から飛行機で4~5時間ほどで来られることもあって、大勢の中国人観光客が訪れるようになり、今ではサイパンを訪れる外国人観光客の3分の1強を占めているという。
その一方で、ノービザであることを利用して、中国人の妊婦たちがノービザでサイパンにやってきて、地元の病院で出産するケースが増えている。ノービザ政策が始まった09年にサイパンで生まれた中国人の子どもはわずか4人だったが、16年には472人にまで増加。その年にサイパンで生まれた赤ん坊のうち、7割以上がABC(American-born Chinese=アメリカで生まれた中国人)となっているのだ。
中国事情に詳しいフリーライターの吉井透氏は、こういったサイパンでの中国人妊婦たちによる“出産ツーリズム”についてこう説明する。
「それは、アメリカが国籍について出生地主義を取っているため、アメリカの領土であるサイパンで出産すれば、その子どもにはアメリカ国籍が与えられるから。サイパンは中国から近いので、アメリカ本土に行くより費用が安く済みます。以前は子どもに香港の戸籍を取らせるために香港で出産することがブームとなっていましたが、その数があまりにも多くなってしまったため、香港は13年から中国人妊婦の受け入れを禁止する処置を取っています。結局、中国人たちは自分の国である中国に未来はないと思っているから、子どもたちに外国籍を取らせたがっているのです」
こういった中国人の出産ツーリズムに対し、サイパンの地元政府の当局者は状況を把握しているものの、医療費用を払う以上、中国人がサイパンで出産することは違法行為ではないと述べている。
さらに、わずか数百人の中国人妊婦の入国を防ぐために、サイパンに来る何万人もの中国人観光客に対するノービザ旅行を制限するのは、ビジネスの観点から見てナンセンスだとも答えている。
アメリカのトランプ大統領は、国境を接するメキシコからの不法移民の流入を防ぐため、メキシコとの間に「国境の壁」を設置することを宣言しているが、果たして中国人妊婦に対しても、サイパンに「海の壁」ともいえる入国制限処置を取るだろうか。
(文=佐久間賢三)
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