白血病少女が歌い、踊る……中国動画配信で広がる“募金の輪”「この子の歌声は天使の歌声だ!」
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危険も恥もいとわない中国の過激な動画配信事情についてはこれまでもたびたび報じてきたが、命をつなぐため自ら動画配信を行う女児が話題となっている。
紅星新聞(2017年12月20日付)によると、河南省鄭州市にある鄭州大学病院に入院している6歳女児の念念ちゃんが、病室で歌を歌う様子や、ベッドの上で踊りを披露する動画の配信を続けている。
念念ちゃんは、一昨年9月に白血病を発症し入院、現在にいたるまで化学療法を11回も行っているが病状は回復せず、むしろ悪化の一途をたどっているという。
父親の劉さんによると、念念ちゃんの治療のため、これまでに治療費として80万元(約1,400万円)を支払ったが、一向に回復しなかった。そして財産は底をつき、今後治療を続けることは難しい状況となっていたという。
そんな中、念念ちゃんの両親は、病室で安静にすることしかできない念念ちゃんに、せめて友達を作ってあげたいと思い、ネット上で歌を歌う様子や踊る様子を動画サイトにアップ。すると多くの視聴者から、「この子の歌声は天使の歌声だ!」などと大きな反響を呼んだのだった。そして、念念ちゃんが死の淵に立たされていることを知った視聴者から、募金が寄せられるようになったという。
その一方で、病気は念念ちゃんを刻一刻と蝕んでいった。担当医によると、念念ちゃんを救える唯一の方法は骨髄移植しかないという。骨髄移植をするには、さらに30万元(約500万円)が必要になるというが、念念ちゃんに寄せられた募金はまだ数千元で、目標金額にはほど遠く、手術の見通しは立っていない。
最近の念念ちゃんの動画を見ると、がん細胞が転移しているためか、話をすることも辛そうで、歌を歌ったり踊ったりすることは、もはやできないようだ。それでも善意の輪は少しずつ広がり、募金は毎日寄せられているという。
医療保険の整備が未だ不十分の中国では、治療費が払えないために命を落とす者はまだまだ多い。何かと世間を騒がせている動画配信だが、こんな時にこそ役に立ってほしいものだ。
(文=青山大樹)
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