『陸王』竹内涼真の走り方って、本当に正しいの!? トレーナーに聞いてみると……
#ドラマ #TBS #竹内涼真 #陸王
最終回を迎えたTBSドラマ『陸王』。最終回の視聴率は大台の20.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、まさに有終の美を飾った。
中小企業の足袋業者の社長が縮小化されていく足袋市場からランニングシューズ業界にトライするものの、商売敵の大企業に邪魔され悪戦苦闘していく姿を、主演の役所広司が熱演。ケガから復活しようとするランナー・竹内涼真の姿も、役所の喜怒哀楽と重なり、視聴者には相乗効果となって感動を生んだのだろう。
ただ、一つ疑問に思うこともあった。
役所が作る足袋ベースのランニングシューズが、ケガの多い竹内のフォーム修正に役立ち、再びトップランナーに復活するというストーリーだが、現状、足袋をベースにしたシューズを見かけることはほとんどない。『陸王』の事実上のモデルとなった埼玉県・行田に実在する「きねや足袋」の足袋シューズも、池井戸潤の原作本が出版されるまで知名度はほとんどなかった。
はたして、陸王が提唱したシューズやランニングフォームは、本当に正しいのか? トレーナーに聞いた。
「まずシューズですが、足袋をベースにする発想はいいと思います。『陸王』では、ソールの話に重きが置かれましたが、足袋がベースのシューズですから、つま先にフォーカスすれば、もっとよかったと思います。今の陸上のシューズでは、つま先で地面をかむように走れるシューズが、ほとんどないんです。つま先でかむような作りにすることで、かかと着地を防ぐことができて、足裏全体で着地するミッドフット走法が習得できます」
実際に、サッカー界でも、ゴンこと中山雅史やドラゴンこと久保竜彦ら、元日本代表のケガを治した動作解析者・夏嶋隆氏も、かかと着地をやめさせるために、足指の感覚が意識できる五本指ソックスなどを履かせていたというエピソードもある。ケガをしにくくするミッドフット走法。そして、そのコツをつかむために足袋のシューズが役立つという説には、整合性がありそうだ。
では、竹内のランニングフォームはどうだろうか?
「竹内くんは、完全にサッカー選手の走り方ですよね(笑)。基本はミッドフットを意識できていたと思うのですが、スピードを上げるシーンでは、完全にかかと着地になっていました。正しいイメージは、地面を蹴った足のかかとがお尻についてから膝が前に出て、そして足裏全体が地面につく。これの繰り返しをすると、足の歩幅がサッカーでいうメッシのように狭くなり、かかと着地になり辛くなります。ですが、竹内くんは、大きく足を開く大股歩きのように走っていました。そうなると、どうしてもかかと着地になってしまい、ケガにつながります。ラストの走りは、靴の性能とは無関係でしたね」(同)
そういえば、竹内は高校時代に東京ヴェルディユースに所属していたが、足首のケガでサッカー選手という夢を諦めなければいけなくなったと聞いたことがある。そのケガを誘発した走り方が最終回で浮き彫りになるとは、なんとも皮肉なものだ……。
(文=TV Journal編集部)
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