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日刊サイゾー トップ > エンタメ > テレビ  > 『99%ノンフィクション』のリアルさ

「別れさせ屋」「スクープ記者」を完全再現!『99%ノンフィクション』で、逆に浮かび上がった“狩る側のリアル”

 以下は、別れさせ業の橋本(本人)がこの仕事をしていての罪悪感を問われた時のインタビュー受け答えと、相楽が演技でそれを模した受け答えだ。

・相楽演技「……でもあまあ、仕方がないですよね……世の中の人たちって、全員が全員ハッピーでいられるってことは、そんなにないと思うんですよ……」

・橋本本人「仕方がないですよね。それで成り立ってる世の中なんで、全員がハッピーで回ることは無理だと思います」

 ちょっとした匂いの違いが気になった。

 相楽の芝居の甘さと言ってしまえばそれまでだが、芝居では出せない、この仕事を経験しているからこそ特有のアクのような、自信のようなものが断定口調の中から沁みでていた。

 同じくこの仕事への罪悪感の有無を問われたスクープ記者(本人)は、

「撮られるようなことを、まずするな!」

「自分自身で罪悪感を感じろっていう風に(芸能人に言いたい)」

 と強い口調で断言。そう思っていないとできない仕事なのだろうし、むしろ意図的に自身を鼓舞しているのかもしれない。

 役作りのため記者本人の「顔出し」インタビュー映像を見たという福士は、スタジオでのアフタートークで「ほんのちょっとだけなんですけど」と前置きしながらも「腹立たしいんですよ」「狩る側で、追われてる側じゃないんで、態度も大きめ」だとコメント。確かにそれを踏まえ意識して演じていたようだが、比較するように挿入される本人部分と見比べると、残念ながらその「腹立たしさ」は本物より劣ってしまっていた。

 おそらく役者のなりきりぶりを対比させる尺度として「本人映像」は差し込まれたと思うのだが、結果的にはオリジナルの持つ、模倣しにくいアクのようなものを際立たせる結果となった。

 本人のみの従来のドキュメンタリーだとしたら、さほど気にならなかったかもしれない部分だけに、興味深く見せて頂いた。この企画は『笑×演』の特別枠としてお試し的に放送されており、これ自体を番組化するのかはまだわからないが、次回からも演じ甲斐のあるアクの強い「ご本人」に登場して頂きたい。
(文=柿田太郎)

最終更新:2017/12/26 14:00
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