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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 「新型出生前診断」の苦悩と“決断”

今夜最終回!『コウノドリ』が描いた「新型出生前診断」の苦悩と“決断”の行方は……?

 

■白川問題

 

 自分の力不足を痛感し、ペルソナを出て小児循環器を学び直したいと決断した白川。

 その面接で「どうして小児循環器科医として学び直したいのか」と問われた白川は、「新生児科に尊敬する先生がいます。その先生のような新生児科になることが恩返しではない。別の知識、技術を身につけて一つでも多くの命を救えるようになりたいんです。そのためなら研修医からやり直したってかまいません」と語る。

 その際「尊敬する先生って今橋先生でしょ? ずいぶん大きな目標だ」と言われ、思わず嬉しそうに微笑む白川。

 前日「NICUを卒業することがゴールじゃない。そのあとに続く赤ちゃんとご家族の人生に寄り添いたい。それが俺たちの仕事の目標だって、今橋先生が教えてくれました」と今橋に直接語っていた。

 自身過剰で危なっかしい白川はすっかりなりを潜めたようで、それはそれで少し寂しいが、今橋という大きなお手本を持ったことで以前のように彼が自己顕示欲にとらわれ、道を踏み外すようなことは無さそうだ。

 

■父の死

 

 父親の今後の話をするために、四宮の妹・夏実(相楽樹)が能登からやってきた。ステージ4の肺がんである四宮の父から渡すように頼まれたという「ヘソの緒」を手渡す。

 それを聞いた小松は「昔は女の子はお守りお嫁に行く時に渡されたり、戦争に行く時に持たされたりしたんだよね。あとは亡くなった時に、棺桶に入れてもらうと天国で迷子にならずお母さんに会えるとかね。お父さんの気持ちだね、しのりん(四宮)を守ってくれますようにって」。

 死を覚悟した父親から息子への、もの言わぬ「土産」。四宮は特に言葉を語ることはなかったが、何度か容器に入ったそれを眺めながら物思いにふけっていた。容器はもちろん輪島塗だ。

 そんなある日の勤務中、妹からの電話で父の死を知る四宮。しかし直後に緊急搬送の手術が入る。感情を殺して手術を終えた後、三たび故郷へと立つ四宮。

 

■今週の四宮と鴻鳥

 

 四宮が訃報のため再々度帰郷することになり「迷惑かけるな。カルテは……」と言いかけた瞬間に「大丈夫だ」と、すぐ送り出そうとする鴻鳥と「そうか」と受ける四宮。

 励まそうとしたのか「四宮……」と言いかけた瞬間、今度は負けぬ速さで「大丈夫だ」と答える四宮。武道の達人のようなやり取り。

「ペルソナのこと、頼むぞ」と伝える四宮が、いかに鴻鳥を信頼しているかがわかる。

 辻夫妻の中絶手術を終えたあと、一人佇む鴻鳥に、そっと暖かい飲み物を供する四宮。

 カンファレンスにて、中絶に対する苦悩や思いを熱く語ったあと、多くのスタッフの前で我に返り「すみません関係ない話をして」と謝る鴻鳥に、「関係なくない。必要な話だろ」とすかさずフォローを入れる四宮。

 危機が多ければ多いほどお互いを理解し、支え合う姿が目立つ。

 次回、最終回。高山夫妻の出産や、今回も登場していた小松の友達であり同期の助産師・武田を襲う危機など、最後まで詰まった内容。能登へむかった四宮や、その四宮の父親の訃報で曖昧になってしまった、小松が鴻鳥に伝えようとしていた内容も気にかかる。心して待ちたい。
(文=柿田太郎)

最終更新:2017/12/22 17:00
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