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堕ちていく工藤Jr.、悪魔のように微笑むミッチー! 視聴率がまさかのV字回復『明日の約束』第8話

フジテレビ系『明日の約束』番組サイトより

「結婚がなくなるかもしれない。その理由ができたことに、少しだけホッとしている自分がいる。多分、まだ私は母親になる覚悟ができていない」

 ちまたではクリスマスの定番ソング「恋人がサンタクロース」が流れる季節となりましたが、スクールカウンセラーである日向先生(井上真央)はそんなウキウキ気分にはなれません。なにせ、恋人がDV人間だったのですから。社会派ミステリー『明日の約束』(フジテレビ系)の第8話。大事な食事会を欠席してしまった日向先生に対して、思わず暴力を振るった年下の恋人・本庄(工藤阿須加)。ずっとかわいがっていたペットのチワワが喉笛に噛み付いてきたような衝撃です。噛み付いたチワワも、いや本庄も自分がやってしまったことに驚いて目を白黒させています。

 本庄に殴り飛ばされた日向先生ですが、肉体的な痛み以上に自分の胸に去来する複雑な想いに苦しみます。母・尚子(手塚理美)の「あーゆータイプは自分の思いどおりにならないと豹変する」という毒予想が当たっていた歯痒さに加え、自分はやっぱり幸せにはなれないんだという諦めの心境が芽生えてきます。それが冒頭の日向先生の心の声です。哀しいことに、日向先生は自分にそう言い聞かせることで心が落ち着くのでした。

 本庄のマンションを出たものの、怒り心頭の母・尚子が待つ自宅には帰れない日向先生。自殺した圭吾や姿を消した香澄(佐久間由衣)と同じように、日向先生もどこにも居場所がありません。夜の街で所在なさげにしていると、ばったり霧島先生(及川光博)に遭遇します。圭吾を自殺に追い込んだ毒親・真紀子(仲間由紀恵)の悪口をさんざんネット上で拡散させ、すっきりした表情の霧島先生。今の日向先生には霧島先生しか相手になってくれる人がいません。霧島先生が仮面教師であることを知っている視聴者にとっては、何ともやりきれないシーンです。

「ホテルでひと休みしませんか」というエロい展開になるのかなとつい期待したのですが、2人が向かった先は高校の相談室でした。日向先生にとっては職場がいちばん落ち着く場所のようです。そんなとき、日向先生のスマホに香澄からの着信が。「校門の前まで来ている」とのこと。香澄を迎えにいく日向先生と付き添う霧島先生。だが、これは香澄の仕組んだトラップでした。留守になった相談室に香澄は忍び込み、霧島先生のカバンに入っていたノートパソコンを盗み出します。体育の授業中に生徒たちの所持品を隈無くチェックしていた霧島先生の裏を突く、超頭脳プレーでした。霧島先生にしては珍しい失態。落ち込んでいた日向先生を前にして、霧島先生の心にも油断が生じていたのでしょうか。ノートパソコンを盗まれたことに気づいた霧島先生の「チッ!」という舌打ちが夜の校舎に響き渡ります。

 

■ただ自分のことを見てほしかった

 

 長い夜が明け、ようやく自宅に帰る日向先生。尚子はリビングで起きていましたが、日向が「ただいま。昨日はごめんなさい」と声を掛けてもダンマリを決め込んでいます。部屋に入った日向先生がスマホを開くと、本庄と日向先生が笑顔で収まっている2ショット画像。ひと晩明けた今では、とても遠い過去のように思えます。10月のドラマスタートから日向先生にはいろいろありました。毒親たちとの闘い、視聴率上の苦戦……。日向先生を演じる井上真央もここ数年はあまりに多くのことが起きました。ベッドに横になったまま、もう起き上がらないんじゃないかと心配になるほど深い眠りに落ちていきます。

 その日の夕方。ようやく日向先生が目を覚ますと、ちょうど本庄が日向の家を訪ねてきたところでした。何も知らない尚子に対し、「僕は取り返しのつかないことを。日向に暴力を振るってしまったんです」と土下座する本庄。そんな本庄に、かつてないほどの鬼顔を尚子は見せるのでした。

「あんた、うちの娘に何したのよーッ!!」

 大魔神化した尚子を初めて目の当たりにして後ずさりする本庄を、何とか自分の部屋へと連れ込む日向。しょんぼりした子犬のようになった本庄は自分が育った家庭の事情を語り始めます。本庄の父親は医者だったため、本庄の兄は医大に進むよう幼い頃からプレッシャーを与えられ、中学の頃から荒れるようになったのでした。凄まじい家庭内暴力で、本庄も両親もボロボロでした。それでも両親は「やればできる子だ。今は反抗期なだけ」と愛情を注ぎ続けるのでした。

「あいつが事故で死んだとき、正直胸がすぅーとした。これで家族が平和になった、やっと親も僕を見てくれるって」

 死んだ兄に代わって受験した医大は不合格。そんな本庄を両親は責めずに「気にしないで、好きにすればいい」と優しい言葉を掛けたのでした。でも、両親のそんな優しさが、本庄にとっては有害だったのです。自分も兄のように期待されたかったと。親に愛されたい、その一心で本庄は異様なまでに親思いで、爽やかな明るい息子を演じ続けてきたのでした。

 母親のことをけなす日向に対し、なぜ本庄が激怒したのかその心理背景を知ることはできました。でも、暴力を振るった本庄のことを許せるかどうかは別問題です。数日後、尚子はここぞとばかりに日向にお見合いを勧めます。このままでは結婚相手も、結婚後の生活もすべて尚子に仕切られてしまいそうです。「私はお母さんの所有物じゃない」と突っぱねた日向は自分の部屋に戻り、机の引き出しの奥から古いノートの束を引っぱり出します。小学生の頃に尚子から強制的に書かされていた、あの忌々しい反省帳「明日の約束」です。幼かった頃のいちばん辛かった記憶を辿りながら、心の平穏を見出す日向先生でした。

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