『M-1グランプリ』直後のGYAO!生配信が“神番組”すぎた! 漫才師たちの「敗者の弁」を振り返る
#お笑い #M-1グランプリ
■同率4位・スーパーマラドーナ「改」
「なんで今年から、敗者復活が最後ちゃうねんっていう……」
武智のこの言葉も、また本音だろう。今年から採用された「笑御籤」によって、前回まではトリだった敗者復活枠が、ランダムになってしまった。勢い、風、そういったものを味方につけて優勝をさらったのが、目の前にいるトレンディエンジェルだろう。
2位に10万票の差をつける圧倒的な強さで敗者復活を勝ち抜いたスーパーマラドーナ。武智は「入れてくれた人に申し訳ない」と語る。
「俺が一番M-1のこと思ってるからな!」
本戦中、何度も繰り返した武智の叫び。ジャルジャルとともに、スーパーマラドーナは来年、15年目のラストイヤーを迎える。田中もなんか言ってた。
■同率4位・かまいたち「小」
「小朝師匠が厳しすぎた」
『キングオブコント』との2冠が期待されたかまいたち。オール巨人と中川家・礼二が最高得点を付けるなど本領を発揮した一方で、春風亭小朝からは「勝ちきるネタではない」とバッサリ。
「審査員が小朝師匠じゃなかったら?」と水を向けて煽る陣内に、「なんか思ってるわけじゃないですよ」と慌てる濱家。「M-1と対を成すキングオブコントのチャンピオンから言わせてもらうと、非常にいい大会だった。バッチリです」と、山内がオチを付ける。
この“上から目線”に加え、本戦中にはにゃんこスターいじりもあり、大会を盛り上げた立役者のひとりに違いない。
■3位・ミキ「白」
ネタ中の昴生の唇が白すぎた、と亜生。伝統的なしゃべくり漫才を繰り出す兄弟コンビは関西での評価は高いが、一方でこうした平場では、まだまだ弱さを見せる。
本戦の審査でも「もう少し大きな展開もほしい」(礼二)、「全然おもしろくないネタもある」(松本)、「もうちょっと弟さんのボケが、シャープなのが入ってたら」(博多大吉)と、言葉だけで見れば苦言が続いた。それでも、本戦2位の650点を叩き出す圧倒的なテンポ、テンション、技術。審査員たちの苦言は、逆を返せばこのコンビの“ノビシロ”の大きさを示している。
そして何より、彼らのラストイヤーまで『M-1』が続くとするなら、この先10年にわたって出場権利があるのだ。末恐ろしい限りである。
■2位・和牛「鮭」
カミナリとの「謎」かぶりで「鮭」と書き直した和牛。そのまま、とろサーモンの意味である。
「なんで負けたんか、わかんないすもん」
和牛の頭脳・水田は戸惑いを隠さない。
「とろサーモンさんさえいなかったら優勝やったなと。去年は銀シャリさんさえいなかったら優勝やったし」
2年連続で準優勝となった和牛は、今大会も、もちろん来年も大本命として4,000組の漫才師からターゲットにされる立場だ。
昨年、キャラと動きで凄味を見せつけた和牛は、今年は目いっぱい頭を使って構成を練り上げ、新たな地表に立った。
最終決戦の審査、とろサーモンのパネルがめくられていくのを見ながら、水田は一枚ずつ「く・そ・が」と思ったと闘志を隠さない。来年は、いったいどんな進化を見せてくれるのだろうか。
その後、優勝会見を終えたとろサーモンも現れ、優勝賞金の授与式などが行われた。500万円ずつの生々しい札束を手にする2人を見ながら、やっぱり「久保田、おめでとう。そして村田、ありがとう」と思った。
■その後、SUNTORY提供で1時間
この生配信のあと、10組は千鳥が待つ居酒屋に場所を移して、SUNTORYが提供する“公開打ち上げ”も行われ、この様子も生配信された。
『M-1』2年連続最下位という苦杯を舐めた千鳥が後輩たちに向ける目線の温かさ、そして、base時代の盟友・とろサーモンと共に「W(「女芸人No.1決定戦 THE W」)にはアジアンも残ってる、中山功太も引き上げたい」と話し合う姿に、また涙腺が緩んだ。
(文=新越谷ノリヲ)
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