トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > イジメ被害者同士による“復讐代行”

イジメ被害者同士による“復讐代行”という深い闇!! 善と悪の境界線が消滅した『明日の約束』第6話

フジテレビ系『明日の約束』番組サイトより

「あなたも子どもを持てば、きっと私の気持ちが分かるはずです。母親にとって子どもの存在は人生のすべてなんです。それを奪われたつらさや苦しみは、子を持つ親にならないと理解できません」

 とんでもない展開を迎えつつある井上真央主演の社会派ミステリー『明日の約束』(フジテレビ系)。息子を自殺で失った毒親・吉岡真紀子(仲間由紀恵)とスクールカウンセラーとして自殺の真相に迫る日向先生(井上真央)が、第6話の冒頭で直接対決を果たします。お互いに話し方こそ穏やかですが、言葉の裏側には敵意が隠されており、素人の目には見えない激しいジャブの応酬が繰り広げられます。

 これまでにも日向先生と真紀子は、吉岡家や葬儀場でも火花を散らしましたが、今回は日向先生のホームグラウンドである高校の相談室でのタイマン対決です。日向先生は落ち着いた口調で、真紀子の亡くなった息子・圭吾(遠藤健慎)が送った「僕は、先輩のせいで死にます」というラストメールと死亡時刻が合わないという矛盾点を指摘します。「お前の企みは、すべてまるっとお見通しだ」と言わんばかりの日向先生を前にして、真紀子がついにモンスターとしての本性を現わすのでした。

「私が送りました。それが圭吾の本当の気持ちだったからです。あの子は遺書を残さず、誰のことも責めず、理由も言わずに命を絶ちました。あの子のことをいちばん理解している私が気持ちを代弁して何が悪いんでしょうか?」

 日向先生にとって聖なる職場である学校の相談室が、モンスターマザーの毒気と理不尽さが渦巻く恐怖の底なし沼へと変貌していきます。モンスターを覚醒させてしまった日向先生の背筋に悪寒が走ります。折しも、日向先生は恋人である本庄(工藤阿須加)からプロポーズされたばかり。日向先生が抱いていた結婚や家庭といった理想像まで、真紀子が振りまく毒素によって汚染されていくかのようです。

 真紀子は、圭吾が自殺する前夜に日向先生と2人っきりで秘密の会話をしていたことが許せません。「あの子の心を乱したのは、あなたです」「何を話したんですか?」「ふざけないでください。圭吾を死なせたことへの負い目があるんじゃないですか?」と日向先生へ畳み掛けるようなボディブローの連打を浴びせます。裁判前の前哨戦でズタボロにされてしまった日向先生。「ま、今日はこのへんで勘弁しといたろ」と池乃めだか級のギャグで返せる人だったらよかったのですが……。

 

■尚子の背中を見るだけで、日向先生も視聴者もドキドキ!

 

 日向先生が対峙しなくてはいけない毒親は、真紀子だけではありません。実の母親である尚子(手塚理美)に、そろそろ本庄から結婚を申し込まれたことを伝えなくてはいけません。日向の看病の甲斐あって、すっかり体調を取り戻した尚子。文鳥のピッピちゃんの世話をしている尚子の背中に向かって、日向は本庄からプロポーズされたことを報告します。振り返った瞬間、尚子の表情が鬼顔なのか優しい母親顔なのか、日向先生も視聴者もドキドキです!

「ふ~ん、よかったじゃない。おめでとう! ピッピ、結婚だって~」

 尚子が鬼顔じゃなくて、ホッとひと安心です。母娘で盛り上がるはずのプロポーズ報告シーンですが、日向先生は心の中で「母は自分の決めた理想からはみ出さない限り、怒らない人だから」と呟くだけで、素直に喜ぶことができません。自分の行動基準が、母親である尚子を怒らせないかどうかになっていることを恨めしく感じる日向先生でした。尚子の毒は、今なお日向先生の心を侵蝕したままなのです。

 そして本庄の実家に、あいさつへと出向く日向先生。本庄の優しく温和そうな両親に迎え入れられ、胸を撫で下ろします。ところが11年前に交通事故で亡くなったという本庄の兄のことが話題に上がると、その途端に本庄が顔をしかめます。日向が仏壇に手を合わせることすら嫌がっているようです。いつも明るく裏表のない本庄にも、実は暗い影が差し込んでいることを知って、むしろ日向先生は安心したようです。

 本庄家のダークサイドを知った日向先生は、ついつい過去の自分のWARU自慢に走ります。尚子と日向との最大のトラウマとなっている神社の石段からの転落事故ですが、尚子の入院中に日向は志望校をこっそり変え、東京の大学を受験したことを本庄に明かします。母親の不幸に付け込むことで、日向先生は臨床心理士という道を見つけ、本庄とも出会ったのでした。生徒たちの心の闇に向かい合う日向先生も、決して純粋無垢な善の存在ではなかったのです。

12
ページ上部へ戻る

配給映画