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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 女性心理の分厚い『刑事ゆがみ』

女性心理の分厚い描写が映える『刑事ゆがみ』一方、デブでブスの風俗嬢は“笑いもの”にしていいのか問題

フジテレビ系『刑事ゆがみ』番組公式サイトより

 視聴率は超低空飛行にもかかわらず、各方面から絶賛の声しか聞こえない『刑事ゆがみ』(フジテレビ系)も第7話。今回は、前回より0.8ポイントダウンの5.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。2話目からじりじり上げてきてたんですが、べっこり下がりましたね。裏のNHKで安室奈美恵の特番をやってたので、その影響かもしれません。このドラマはけっこう伏線を丁寧に張るので、録画向きですしね。と、まあ適当に擁護しつつ今回も振り返りましょう。

前回までのレビューはこちらから

 今回は、弓神(浅野忠信)と羽生くん(神木隆之介)の上司である係長・菅能ちゃん(稲森いずみ)の回でした。前回まで、捜査に私情を挟みまくる羽生くんに、捜査中は「事件関係者への恋心と同情」を持ってはいけないと説教していた菅能ちゃんでしたが、今回は大学時代の親友・絵里子さん(りょう)が亡くなってしまったので、その説教が盛大にブーメランしてしまいます。

 何しろ菅能ちゃんと絵里子さんは、お互い定年したら老後を一緒に過ごそうと誓い合っていたほどの仲。しかも、絵里子さんの死亡推定時刻は同窓会で久しぶりに再会した直後だったのですから、心穏やかに捜査できるはずがありません。

 状況としては、青酸カリを飲んでの服毒自殺に見えます。しかし、菅能ちゃんは絵里子さんが自殺するなんて、どうしても思えない。

 絵里子さんはデザイン会社で部下をたくさん抱えてブイブイ仕事をしていたはずだし、10歳下のイケメン実業家との結婚も決まっていると言いました。何より、同窓会の後、2人で飲んだときに再会の約束だってしている。そんな絵里子さんが自殺なんてするわけない! と、周りの刑事がドン引きするほど私情入れまくりで捜査に当たります。

 

■絵里子さん、つらすぎる……。

 

 しかし、実際には絵里子さんに結婚の予定はありませんでした。同窓会で見せられた婚約者とのツーショットインスタも、月に一度は必ず飲み会を開いていると語っていた部下との写真も、すべて「リア充代行サービス」を利用して撮ったものだったのです。

 現実の絵里子さんは、とっくに会社を辞めていました。線維筋痛症が悪化して休職、そのまま復職できなかったそうです。線維筋痛症って、最近レディー・ガガが患者であることを告白して話題になりましたが、むちゃくちゃつらいんだそうです。原因不明なので対症療法しかできないし、血管の中を割れたガラスが通過するような疼痛が続くし……と、ちょっと資料を読んでいるだけでも顔をゆがめたくなるような難病です。

 そんな難病に苦しみながら、せっせとインスタにリア充写真を載せ続けた絵里子さん。貯金を切り崩しながら、偽りの笑顔に囲まれて、現実を盛りまくっていた45歳の独身女性。なぜそこまで“リア充”を着飾るとこに固執するのか、まるで理解できませんし、理解できないからこそ、その苦痛も想像を超えたものなのでしょう。つらいよ、つらすぎるよ……。

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