「男女交際→ムチ打ちの刑!」中国・教育現場の異様すぎる“体罰”事情
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日本でも、教育現場での体罰がたびたび問題となっているが、中国ではそれとは比べ物にならないほどの体罰が行われていたことが露見し、波紋を呼んでいる。
「新京報網」(11月4日付)によると、舞台となったのは、江西省南昌市の豫章学院。犯罪や暴力など、日常生活に問題がある青少年のための民間更生施設だ。
同学院の卒業生を名乗る人物が、ネット掲示板に告発文を投稿したのだ。そこには、「私は14歳のときに、この豫章学院に入学した。すると、すぐに反省小屋と呼ばれる狭いプレハブ小屋に7日間、閉じ込められた。トイレはなく、桶に用を足していた。また、学院内では教師による体罰が常態化しており、ひどいときはムチで100回叩かれた。私は、あまりの痛さで失神してしまうこともあった」と書かれていたのだ。
さらに、この告発文が拡散するや、同学院で体罰を受けたという卒業生たちの告白が、せきを切ったように次々とネット上に寄せられた。
これに対し、学院の校長は公式ホームページ上に、「当学院に対する中傷やデマについて、名誉毀損で法的に対応していく」と、裁判を辞さない構えを見せていたが、地元教育局(日本の教育委員会に相当)が調査に乗り出すことが決まると、すぐに「世論の声をしっかり尊重し、社会的責任を負っていく」と、態度を一転させている。
そこでの生活は、まさに監獄そのもので、ケンカや喫煙などだけでなく、男女交際や自殺未遂までもがムチ打ちの対象となるという。現在、この学院は教育局の通達によって、学生の受け入れを一時停止している。
今年8月には、安徽省にあるネット依存症の更生施設で、18歳の少年が入所からわずか48時間後に死亡する事件が発生した。少年は教職員から入所早々、暴行を受けており、顔面からは出血し、重い外傷を負っていたという。さらに7月、陝西省西安市内にある同様の更生施設では、16歳の少年が飛び降り自殺をした。少年は職員から体罰を受けており、遺書には職員による体罰がつらく、死を選んだことが書かれていた。
中国では、両親による過保護や過放任を背景に、さまざまな問題行動を起こす青少年が増えており、そこにビジネスチャンスを見いだす民間更生施設が増えている。しかし本当の更生が必要なのはむしろ、彼らを取り巻く大人たちのほうであろう。
(文=青山大樹)
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