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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > ついに明かされた毒親の洗脳テク!!

ついに明かされた毒親・尚子の洗脳テクニック!! 視聴率もわずかに上昇の『明日の約束』第4話

 

■CGなしで、手塚理美の顔が大変身!!

 

 本庄に無断で会ったことを詫びる尚子ですが、それでも日向がそっけない態度をしていると、日向が振り返った瞬間には尚子のもうひとつの顔、毒親顔に変身しているではありませんか。思わず、子どもの頃に観た特撮映画『大魔神』(1966)の変身シーンを思い出しました。

「いい加減にしなさいよ! 誰のお陰で生きてきたと思ってるのッ。あんたのそーゆーとこ、死んだお父さんも嫌がってたわ」

 娘を口撃するのに死んだ父親まで持ち出す尚子のえげつなさ。これこそが、尚子が実の娘を洗脳するための常套パターンでした。日向に何でも話し合える親しい友達ができないようにし、親戚やご近所さんの名前も出して、「みんな、日向のことを嫌っている。日向の味方は母親である自分だけなんだ」と我が子をずっと洗脳し続けたのです。

 普段は耳を塞いで自分の部屋に逃げ込んでいた日向ですが、この夜は部屋の中に尚子がズカズカと上がり込んでいるため、どこにも逃げ場がありません。自殺してしまった圭吾(遠藤健慎)のためにも、スクールカウンセラーである自分がいつまでも毒親に逆らえない子どものままではいられません。意を決した日向はついに尚子に反撃します。

「怒るなら自分の言葉で怒ってよ。はっきり言って。その腕のことだって……」

 日向にとって重く暗いトラウマとなっていた、尚子の左手が不自由になった過去が、日向の回想シーンとして明かされます。日向が高校生のとき、近くの神社の石段から転げ落ちそうになったのを庇ったのは尚子でした。そのときの怪我で尚子の左手は今も障害が残っているのです。自分の身体を犠牲にしてまで娘を守った尚子ですが、そのことで尚子は一度も日向を責めたことがないのです。これもまた、毒親ならではの不可解さです。でもそれゆえ、日向はひとりぼっちで暮らすことになる尚子のことが見捨てられずにいるのでした。日向の恋人・本庄は、こんな2人の共依存関係をどこまで受け止めることができるのでしょうか。

 

■EXILE系で、いちばん長生きしそうな男

 

 前回から本格的に登場した週刊誌記者・小嶋を演じる青柳翔は、今週も絶好調です。圭吾の自殺はバスケ部内でいじめがあったからだという噂にバスケ部のキャプテン・長谷部(金子大地)がブチ切れ、校内で長谷部が暴れている様子を映した投稿動画をネットにアップする小嶋。そのせいで、長谷部の実名と顔がネット上でさらされる結果に。校長(羽場裕一)、日向先生、バスケ部の臨時顧問となった北見先生(白洲迅)の3人が編集部に乗り込みますが、数々の事件を取材してきた小嶋はまったく動じません。

「今さらうちが削除しても意味ないでしょ。デジタルタトゥーって言葉はご存知ですか? 今は疑わしきは罰せられる時代です。正義に満ち満ちた素晴しい社会じゃないですか」

 劇団EXILE所属の青柳翔のこの憎々しさ! まさに「憎まれっ子世に憚る」です。EXILE系のメンバーの中でも、いちばん長生きしそうじゃないですか。我が子・圭吾を自殺に追い詰めた真紀子(仲間由紀恵)、日向の懸命な反撃を笑ってスウェーバックしてみせた尚子、それに続く第3のヒール・小嶋記者の本格始動に日向先生は大ピンチです。

 尚子や小嶋の見事な暴れっぷりによって、出番が限られてしまっている最凶毒親である仲間由紀恵演じる真紀子ですが、今週も短い出番でインパクトのある効果的な出演となっていました。久々に高校に現われた真紀子は、圭吾と仲のよかった同級生の沢井(渡邉剣)を見つけ、あいさつ代わりのポイズン攻撃です。

「久しぶりね、沢井くん。圭吾がいなくなったバスケット部は楽しいかしら?」

 自殺した親友の遺族から浴びせられるこの口撃は、思春期の少年にはつらすぎます。さらに真紀子は「鎌倉からいじめをなくす会」の顧問弁護士を同伴し、校長や日向先生を威嚇します。マスコミや弁護士を味方につけた真紀子は裁判に訴え出るとのこと。あまりにもハードな展開に、日向先生だけでなく、視聴者もついていくのに必死です。

 圭吾の自殺、バスケ部顧問・辻先生(神尾佑)の襲撃事件……と暗い内容が続き、視聴率も泥舟のように沈みつつあった『明日の約束』ですが、第4話は5.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と前回の5.4%よりわずかですが微増しました。ドラマの後半、自暴自棄になった長谷部は「辻先生を襲ったのは俺です」と虚偽の自供によって警察に連れていかれますが、日向先生やバスケ部の仲間たちが力を合わせ、長谷部のアリバイを証明する動画を警察に提出します。ビバ、青春! なんという学園ドラマの王道的な展開でしょう。

 警察から解放された長谷部は「動画でピンチになった俺が、動画に助けられるなんて」と苦笑しますが、これは『明日の約束』にも言えそうです。従来の学園ドラマとは異なる超ハードで斬新なドラマを目指してきた『明日の約束』ですが、分かりやすく視聴者に安心感を与える学園ドラマのフォーマットを使ったところ、視聴率がアップしたわけです。

 日向先生は恋人・本庄と無事に結ばれるのか、それとも母親・尚子との新しい関係性を模索するのか。そして関西テレビは社会派ドラマとしてのテーマ性に徹底的にこだわるのか、それとも視聴率アップによろめくのか。次回の『明日の約束』もいろんな意味で見逃せません。
(文=長野辰次)

最終更新:2017/11/14 17:00
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