永遠のマドンナ『めぞん一刻』音無響子、その抗い難い魔性を検証する
#マンガ #コミック #ザオリク的マンガ読み
■終盤戦、女の怖さをまざまざと見せつける
作品後半になると、響子さんが五代のことを好きなのが態度からもはっきりとわかるようになるのですが、三角関係ラブコメの宿命か、最後の最後まですれ違いや勘違いから起こる痴話喧嘩を繰り返します。そんなイライラからか、当初おしとやかなイメージだった響子さんの行動や言動も、かなりアグレッシブになっていきます。
響子さんの母校で教育実習をすることになった五代。そこに教え子でクラス委員の八神いぶきが登場。五代に一目惚れしたいぶきは、五代をモノにしようとガンガン迫ります。
そんないぶきの存在に、初めは大人の余裕を見せていた響子さんでしたが、響子をライバル視するいぶきの挑発に対し、次第にイライラし始め、笑顔のまま竹ぼうきを真っ二つにへし折ったり、「あんのガキー」と怒鳴ったりするなど……マドンナのイメージを崩壊させるシーンが次々と。
そして優柔不断な五代の態度に業を煮やした響子さんは、ついに自ら母校に乗り込み、教頭先生に八神のことをチクるという手段に出ます。響子さん……可愛い顔してそこまでやるか……。管理人さんは、恋愛のライバルまで完全に管理してしまったのです(うまいこと言ったつもり)。
■面倒くささを補って有り余る女の魅力
……ここまで、響子さんのことを褒めちぎるつもりが、気がついたらとんでもない性悪女みたいに書いてしまいました。しかし、それを補って余りある魅力が、響子さんにはあるのです(今さらフォロー)。
何しろ、高橋留美子先生の描く女性キャラの中でも最高傑作と呼べるほどの圧倒的な美貌と百万ドルの笑顔、つい守ってあげたくなる地味で幸薄そうな感じ、世間知らずで天然なお嬢様っぽさ、家事全般が完璧な理想のお嫁さんっぷりなど、ちょっと嫉妬深いところも含めて、男を魅了するに余りある存在です。
ほかの登場キャラクターも個性的で十分魅力的なのですが、結局は「管理人さん」音無響子あってこその『めぞん一刻』だといえるでしょう。それは、単行本の表紙は1巻から15巻までのすべてを響子さんが飾っているということからもわかります。竹ぼうきを持ったひよこエプロン姿、ミニスカートのテニスルック、水着姿に和服姿、バゲットを抱えた買い物姿、最終巻の白無垢姿などなど……単行本の表紙を並べると、まるで音無響子のグラビア写真集のようになります。
ちなみに『めぞん一刻』は、過去に2回実写化されており、86年の東映映画版、2007年のテレ朝ドラマ版がありました。気になる音無響子を演じるのはそれぞれ、石原真理子、伊東美咲。当時の響子さんのイメージは、石原真理子だったのか……今振り返ると結構、黒歴史っぽい感じですね。
(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)
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