至宝たちの落日……退団決定のイチローと松坂大輔、来季どこへ? 移籍による“経済効果”も
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イチロー(マイアミ・マーリンズ)と松坂大輔(福岡ソフトバンクホークス)という野球界の2人の至宝が、いずれも今季限りで所属チームを退団することが、ほぼ確定的になった。米国・日本で現役を貫く2人のビッグネームは、それぞれどのような道を歩むのか。
今シーズンのイチローの成績は、はっきりと衰えを感じさせるものだった。打率は5月まで1割台を低迷し、代打、代走、守備固めとして136試合に出場したものの、最終的な打率は.255。代打でのヒット数27本は、大リーグ記録にあと1つに迫るものだったが、マーリンズは来季、イチローと契約しない方針を明らかにした。すでに日米でレジェンドとなっているイチローは来季、どこで戦うのか? スポーツライターは言う。
「普通なら引退してもおかしくない成績ですが、イチローはかねてより『50歳まで現役』と宣言しており、引退はないでしょう。ただ、あれだけの成績を残した選手ですから、マイナー契約は考えにくい。本命は古巣のシアトル・マリナーズでしょう。ここ数年のアメリカンスポーツでのトレンドが、あらかじめラストイヤーだと宣言するやり方です。2015年にはプロバスケットボールの大スター・コービー・ブライアントが、シーズン序盤で引退宣言し、さながらロックバンドの解散ツアーのごとく、アウェイでも歓待を受けました。野球界では昨年、ドミニカの英雄・デビッド・オルティーズが、引退発表したシーズンで打点王のタイトルを獲得するという離れ業を成し遂げました。こちらもいわば“凱旋イヤー”でした。イチローの今季の年俸は200万ドル(約2.3億円)ですから、来季は間違いなくそれ以下。イチローがシアトルに戻り、ラストイヤーだと宣言でもしてシーズンに臨めば、集客、グッズなどで莫大なマネーを生み出しますから、マリナーズとしても悪い話ではないでしょう。ただ、当の本人が“のる”とは思えませんが」
一方の松坂は、イチローとは状況が違う。15年に3年12億円でホークスに入団した松坂だが、3年間で1軍登板はわずか1試合1イニング。チームからは兼任コーチ就任を打診されたものの、現役続行にこだわり、移籍先を探すつもりだという。そんな松坂の獲得に動くチームはあるのか?
「肩の状態が悪く、3年間で1軍登板が1試合だけの37歳のピッチャーにお金を出すチームはありません。彼を雇うことで、枠も1つ埋まるわけですし。ただ、松坂には絶大なネームバリューがあります。そこで候補に上がってくるのが横浜DeNAです。松坂は東京都出身ですが、横浜高校で甲子園春夏連覇を成し遂げ、地元民は今でも“おらが街のスター”という認識です。一方でDeNAは横浜スタジアムと合わせて、横浜市とスポーツ振興や地域経済活性化に向けた包括連携協定を今年から締結したばかり。今の松坂なら年俸は相当買い叩けますし、いったん獲得すれば、引退した後も横浜OBとして地元で活躍する場があるでしょう」(同)
本来なら2人とも「ハイ、さようなら」のはずだが、ワガママが許されるのも大スターゆえ。ただ、雇う側は雇う側で、しっかりソロバンをはじくことだけは間違いないようだ。
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