「今後は肩書きを隠して……」業務停止でテレビ出演も絶望的!? “元アディーレ弁護士”に吹き荒ぶ逆風
#テレビ #弁護士
アディーレ法律事務所が広告の景品表示法違反で東京弁護士会から業務停止とされた問題の影響か、過去にアディーレで仕事をしていたある弁護士が名刺を刷新し、「アディーレ」の文字を取り除いていたことがわかった。
現在はアディーレ所属ではなく、今回の処分対象にもなっていないが、問題の広告が掲示されていた期間にアディーレの弁護士として仕事をしていたことがあり、その過去を隠す意図があるようにも思える。この弁護士は9月まで使っていた名刺と最近使っている名刺の基本デザインこそ同じだが、裏面に書かれた経歴にあった「アディーレ法律事務所」だけが、新しいものから消されているのだ。
過払い金の返還訴訟を主体としていたアディーレは2010年以降、期間限定として着手金無料などのキャンペーンを宣伝していたが、実際には期間限定ではなく、5年近くにわたり広告を掲載していたとされる。これに懲戒請求が出され、東京弁護士会から「手段の悪質性が際立つ」などとして10月11日付で法人としてのアディーレ法律事務所が2カ月、元代表の石丸幸人弁護士が3カ月の業務停止処分を受けた。ただ、アディーレ側は「処分は重すぎる」「せいぜい戒告にとどめるべき」として、日本弁護士連合会に処分取り消しを求める審査請求を申し立てている。
問題の期間で、アディーレの得た報酬が約268億円にも上ったとされることに、アディーレ側は「報酬額の増加は広告と無関係」と反論。ただ、これには著名な弁護士の紀藤正樹氏がTwitterで「違法収益を掃き出させる課徴金処分ができない弁護士会の処分である以上逆に軽すぎるくらい」とも書いている。
かぐや姫が借金しているという設定や、お笑いコンビ・ブラックマヨネーズの小杉竜一と吉田敬を使ったテレビCMなど、大々的な宣伝には同業者からも批判があったアディーレ。異議に対する判断は別にして、世間的には「法の専門家なのに、ルール違反を犯してまで金儲けに傾倒していた連中」という印象が根付き始めている。当然、アディーレ所属の弁護士たちのイメージダウンは避けられず、前出の“元所属”弁護士にとっても、在籍の過去が黒歴史のようになってしまったようだ。
過去の広告では、石丸弁護士のほか、篠田恵里香、園田由佳、鈴木淳也といった弁護士が登場していたが、今年9月まで187人もの弁護士が所属していたため、「元」を含めれば、かなりの数の“アディーレ弁護士”がいることになる。彼ら一人ひとりに問題があったとされてはいないが、そのキャリアに対する見方は厳しくなるかもしれない。
別の法律事務所のある弁護士は「広告でウソをついていたとされたわけだけど、今度は肩書きを隠して経歴のウソをつかなければならなくなるかもね」と冗談交じりに話していた。
公にはされていないが、こうした問題が表沙汰になった弁護士事務所については最近、一部テレビ局がコメンテーターなどで出演させることに慎重になっている。
「アディーレの弁護士はテレビ朝日の番組出演が主だったように思うけど、テレ朝はもちろん他でもブラックリスト入りするんじゃないか。CMを流していた“共犯意識”から距離を置きたいと思ってもおかしくない」とは業界歴の長いテレビマンの話。
美人弁護士とも呼ばれた“広告塔”篠田弁護士は、レギュラー出演しているラジオ番組『ロンドンブーツ1号2号田村淳のNewsCLUB』(文化放送)については、法人業務停止期間中の出演が休みとなることが伝えられているが、今後、局や番組側がなんらかの判断を下すこともなくはないだろう。
(文=藤堂香貴/NEWSIDER Tokyo)
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