登場人物全員悲劇! 全員号泣! 伝説の体操マンガ『空のキャンバス』が重すぎる……
#マンガ #コミック #ザオリク的マンガ読み
■偽物の「あいつ」が復数登場し、事態がややこしくなる
いつか「あいつ」と出会えると信じて、命がけで体操に取り組む太一と、自分が「あいつ」だと名乗り出ることができない榛名。そんな太一と榛名の状況を見かねてか、太一の前に立ちはだかったライバル、五十嵐俊が太一を励ますため……
「忘れたのかい、ボクだよ!! ずっと昔、木駄町の公園できみに助けられたじゃないか!!」
などと、自分が「あいつ」だと名乗り出ます。完全に偽者なのですが、太一はこれ信じてしまいます。まあ後で嘘がバレるのですが。
2人目の偽「あいつ」は、全日本ジュニアチャンピオンの鶴巻公次。全身麻痺が進行して、ほとんど動けない状態で体操の練習に打ち込む北野の姿を見るに見かねて
「わからんのかーっ!! オレはお前のライバルだ!! 遠い昔おまえに助けられた男だぞ!!」
と「あいつ」宣言。すでに目が見えず、判断力もなくなっている太一は、あっさり信じてしまいます。しかし、これがきっかけで、太一は手術を受ける決意をすることになります。ナイス偽物!
実は、知らぬは太一ばかりなりで、周りの人はほとんど、榛名が「あいつ」であると知っているのです。このことが何よりも悲劇的という感じがします。
■太一以外のキャラの生きざまも結構壮絶
『空のキャンバス』では、主人公の太一だけが悲劇を背負っているわけではありません。太一の周りのサブキャラの悲劇っぷりも、なかなかのものです。
・五十嵐俊
太一の初期のライバルとして登場した五十嵐俊は、少年院出身。少年院のワルな仲間たちの期待を一身に背負っている体操選手なのですが、五十嵐自身は、実は無実の罪で少年院に入れられていたのでした。まさに悲劇!
・あずさちゃん
太一と同じ症状で入院していた少女、あずさちゃん。同じ病状ながら、体操の技を身につけ、みるみる回復していく太一の姿に憧れ、車椅子で病院を抜け出し、太一を応援にいきます。しかし応援中に無理がたたり、会場でぶっ倒れて絶命。まさに悲劇!
・エレナ・シュトロワ
ソ連から来た女子体操選手で、女子チャンピオン・榛名の最大のライバル。幼少期のころにエレナを捨てて失踪した母を見つけるために、体操で有名になることを決意します。日本で、絶対100パー母親で間違いない、という女性を見つけますが、話しかけても結局名乗ってもらえず。まさに悲劇!
そんな感じで登場人物がそれぞれ、悲劇を背負っており、作品のいたるところに「泣き」要素がちりばめられているのです。どこから読み始めても泣くことができる後方支援体制。それが『空キャン』の凄いところ!!
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