脱・ニーハオトイレ目指すも……中国「トイレ革命」は前途多難
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隣り合う便器に腰をかがめた者同士が会話できてしまうほどの開放感が「ニーハオトイレ」と揶揄された中国だが、国家観光局は昨年、国内の公衆トイレ環境の改善に2,900億ドル(約32.5兆円)を投資すると発表。「トイレ革命」が進行中である。
そんな中、革命に逆行するかのようなトイレが重慶市に登場した。
「新浪新聞」(10月5日付)によると、問題のトイレは同市の遊園地内のファンタジーをテーマにしたエリアに複数箇所存在しているのだが、なぜか個室に屋根が取りつけられておらず、上部から丸見えなのだ。この便所を利用する女性は手持ちの傘を差し、上部からの視界を遮ってから用を足す必要があり 、ネット上では「これを設計した奴、バカなんじゃない? のぞきの趣味でもあるのか?」「マジきもい。こんなの、犯罪を助長するだけでしょ」などと、厳しい意見が寄せられている。
ほかにも、 開放的なトイレが新設されている。 昨年10月、湖南省長沙市の景勝地、石燕湖のほとりに、ガラス張りの公衆トイレが建設された。トイレの壁はすりガラスが使用されているとはいえ、シルエットはかなりはっきり見えてしまうため、利用客からは当然ながら不満の声が寄せられているという。
一方で、最新技術を駆使したトイレも存在する。
北京市にある《第五空間》と名付けられた公衆トイレには、Wi-Fiが完備されているだけでなく、建物内にATM、自動販売機、食事ができる休憩室、シャワー室まで完備されており、まるでネットカフェのような設備が整ってるという。また、同じく北京市内にある世界遺産・天壇公園内の公衆トイレでは、トイレットペーパーの盗難が相次ぎ、盗難防止策として今年からトイレに顔認証システムを導入した。その結果、トイレットペーパーの使用量が年間3万ロールから2万ロールへと大きく減少したという。
方向性の定まらない中国トイレ革命の前途は多難だ。
(文=青山大樹)
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