「髪の毛を食べても、生えてこないのと同じ」──サプリ業界を揺るがす“グルコサミン神話”崩壊の衝撃
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
さらに不思議なことに、生前高倉と親しかった人間たちが、口裏を合わせたように、頑なと思えるほど、高倉との思い出を語らないのだと、森はいった。
森にいわせると、結婚ではなく養女になったのは、高倉健の遺産だけでなく、これからも入ってくる映画の権利など、諸々の収入も手に入れられるからだそうである。
私にはよくわからないが、もしそうだとしたら、法律に詳しい人間が彼女の後ろにいるのだろうか。疑念は膨らむばかりである。
森は、彼女がそうした行動に走った理由について、こう推測している。
「心の底で燃やし続ける瞋恚の炎が、彼女を駆り立てるのではないか」
それは、高倉本人への憎悪なのか、彼が残像を追い続けた江利チエミという女性への嫉妬の炎なのだろうか。
森は結びでこう書いている。
「人の世の栄華とは何を指すのだろうか。生涯をまっとうするとは、いったいどういうことなのか。高倉の人生に接していると、そんな疑問が湧く。生きる伝説とまで称されながら、その生き様はわれわれと同じように、いやそれ以上に泥臭く、奥深い悩みを抱えてきた。きらびやかなスポットライトの裏で必然的に生まれる陰影に支配されてきたともいえる」
高倉健という名を汚さず、理想の俳優像を作り上げようと必死に“演技”してきたのであろう。ハワイのベトナム料理屋で、物置のような質素な部屋で、高倉健が一人食事している姿を思い浮かべた。
200本以上の映画に出演し、日本一の俳優になった男が得たものは何だったのだろう。
有名になればなるほど孤独になる。その孤独に耐えられない人間は、その道を選ぶものではない。高倉健なら、そう答えるのではないか。
話を選挙に戻そう。
今週の文春砲は、今回出馬予定だった公明党の樋口尚也前衆院議員に向けて放たれた。若手のホープだそうだが、赤坂のホテルで愛人と密会していると文春が報じるとわかり、「一身上の都合により、離党並びに公認を辞退したい旨の届が提出され、受理、了承いたしました」(公明党広報部)。
公明党は先週の文春の報道で、長沢広明参院議員が議員辞職し、今週は当選確実な若手のホープまで不倫で失った。
今週の第1位は文春の選挙予測。先週、現代は「小池総理、誕生へ/自民がよもやの野党転落──東京は自民全滅の危機」と特集し、東京の当確は3人だけ、希望は150から200くらい取るのではないかと政治部デスクがコメントしていた。
では、文春はどうか。久保田正志+本誌取材班として、当落予測一覧表もつけている。文春によれば、自民党の“魔の二回生”約100人の半数以上が落選する。立憲民主党の長妻昭の選挙区に希望から都民ファーストの会・荒木千陽代表の父親、荒木章前熊本県議が立つが、この人、セクハラ裁判を起こされ被害女性に300万円払って和解した過去があるそうだ。
群馬一区は、自民の公認は尾身朝子だが女子大生買春疑惑の佐田玄一郎が出馬し、中曽根康弘元首相の孫・康隆まで出馬すると表明。三巴の争いだから、希望の宮崎岳志が漁夫の利を得そうだ。
小沢一郎は無所属で出るが、ほぼ安泰。稲田朋美前防衛省、パンツ泥棒疑惑が報じられた高木毅元復興相も「高木氏もとにかく選挙に強く、おそらくパンツをかぶっても勝てる」(地元記者)。
W不倫を報じられ民進党を離党した山尾志桜里は「高齢男性を中心にウケがよく、選挙となるとなかなか強い」(民進党関係者)。
選挙結果はどうなるのか。政治広報システム研究所・久保田代表はこう語る。
「自民党は現有二百八十八議席から七十四減の二百十四議席で、単独過半数割れ。公明の三十四議席と合わせて、過半数を確保するのがやっとです」
そうなれば、安倍首相の責任が問われることは必至だ。
希望の党は101議席を獲得して野党第1党に。立憲民主党が現在の11議席から28議席に延ばす。無所属立候補者では、与党系が6議席から5議席。野党系は37議席から31議席とともに減らすという。
だが、選挙後「大きく変わるのは改憲を巡る勢力図だ。自公、維新に希望が加わり、四百議席以上に膨れ上がる」。安倍が辞任して岸田文雄首相が誕生しても、改憲へと大きく動き出すのだろうか。
だが、小池と近い石破茂が小池と大連立を組み、石破首相になる可能性もあるそうだ。おもしろうてやがて悲しき鵜舟哉。有権者をこれほど悩ませる衆院選はないが、あとのことは考えず、安倍政権打倒の一点に絞って投票するしかないと、私は思っている。
(文=元木昌彦)
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