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週刊誌スクープ大賞

「髪の毛を食べても、生えてこないのと同じ」──サプリ業界を揺るがす“グルコサミン神話”崩壊の衝撃

 閑話休題。ノンフィクション・ライター森功が最近出した『高倉健 七つの顔を隠し続けた男』(講談社)が、すこぶる面白い。

 高倉健は2014年11月10日悪性リンパ腫で死去。本名小田剛一(おだ たけいち)、享年83。

 死後、しばらくしてから、彼に養女がいたことが報じられた。小田貴という女性だ。高倉の最後を見届けた唯一の人間。40億円ともいわれる遺産を受け継いだ。

 だが不可解なことに、彼女は高倉の死を福岡にいる高倉の実妹にも知らせず、死後2日で火葬してしまったのである。

 実妹が、遺骨を分けてほしいというと、遺言で散骨してくれといわれたからと断っている。

 彼女の「奇行」が週刊誌で報じられるようになる。生前、死んだらここへ入ると高倉がいっていた鎌倉霊園の墓地を更地にしてしまった。ここには結婚していた江利チエミが孕んだが、事情があって産めなかった水子墓もあった。

 クルマ好きで、多いときは20台ぐらい所有していたといわれる高級車も売り払い、手を入れれば立派に使えるクルーザーも解体してしまった。

 高倉との思い出が詰まっていたであろう世田谷区瀬田の家も壊して、新築した。

 なぜ、そうまでして高倉健という俳優が生きた痕跡を消し去ってしまうのだろうか。ファンならずとも疑問を感じてしまうのは無理のないことであろう。

 その「謎」に森が挑戦したのである。

 彼は高倉健が出た福岡県立東筑高校の後輩。高倉は高校でボクシング部と英会話のESSクラブも創設し、ESSは今も残っているという。

 明治大学に入り相撲部に入部した。学生時代は喧嘩と酒に明け暮れ、「明治の小田(高倉の本名は小田剛一・おだたけいち)」と恐れられた。

 酒癖が悪く、物を壊す癖があったと、自らインタビューに答えている。それもあって、俳優になったら酒は飲まないと決めたようだが、その克己心には頭が下がる。

 この時期、戦後『銀座警察』と異名をとった、後の指定暴力団「住吉会」の幹部たちとの交友もあったそうだ。

 中でも明治の1年後輩で後に住吉の理事長にまでなる直井二郎とは親しかったそうだ。

 話を急ごう。この本の白眉は、高倉と養女との馴れ初めや、彼女の不可解な行動の謎に迫った章である。

 森は、養子縁組の際の入籍申請書類を見ている。養女になった貴の母親と、高倉の従弟(高倉プロの専務・当時)のサインがある。

 だが不思議なことに、高倉の本名である小田剛一のふりがなが「おだたけいち」ではなく「おだごういち」になっているのだ。それも従弟のところには、何も書かれていない申請書を持ってきて、サインしてくれといわれたというのである。

 高倉の実妹や親族たちは森に対して、高倉の死を知らされなかった悔しさを隠さない。

 いまだに養女とは会えず、弁護士を通してくれといわれているそうだ。なぜこうまで頑なに実妹や親族を拒むのだろう。

 そのくせ、高倉が死ぬ直前までCMに出ていた九州の会社には飛んで行って、高倉の死後もCMを放映してくれと、彼の死をマスコミ発表より早く知らせに行っている。

 週刊誌のインタビューにも答えているのに、生前高倉ときわめて親しかった人間たちとは会おうともしない。

 貴の経歴も、高倉の出会いもよくわかっていない。仕事をしていた「チーム高倉」のメンバーも、彼女の存在をほとんど知らなかったという。

 森によると、貴は貴倉良子という名で女優やテレビレポーターをしていたそうだ。大部屋女優から、ホテルジャーナリストに転身しているという。

 知り合ったのは1990年代後半。どうやら香港のホテルで知り合い、その後意気投合したらしい。

 彼女に会った数少ない人間も、彼女は家政婦だと思っていたと語っている。

 親族たちが、高倉に何か異変があったのではないかと気づき、電話をあちこちにかけた。それを知った貴は、「バレた、どうしよう」と慌てふためいたそうだ。

 そして、高倉の匂いを消すかのように家を壊し、墓を更地にし、愛車やクルーザーも処分してしまったのだ。

 こんな話がある。棺桶をどうしようかという話になった時、貴は、「一番質素なものでいい」といったそうだ。さすがにそれはないだろうということで、従弟が桐の上等なものにさせた。

 昨年末からステーションギャラリーで「高倉展」が始まり、それを皮切りに全国でイベントを行っているが、人前に出ないわりにはそうしたことには熱心なのだ。

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