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週刊誌スクープ大賞

「髪の毛を食べても、生えてこないのと同じ」──サプリ業界を揺るがす“グルコサミン神話”崩壊の衝撃

 次は中村。

「選挙の先にあるのは何だろう。
 現政権が勝利すれば、私達はこれまでの政権の全ての政治手法を認めたことになる。政権は何でもできるようになる。あれほどのことをしても、倒れなかった政権ならすさまじい。友人を優遇しても何をしても、関係者が『記憶にない』を連発し証拠を破棄し続ければよい。国民はその手法を『よし』としたのだから。私達は安倍政権をというより、このような『政治手法』を信任したことを歴史に刻むことになる。
 感情的に支持する人はより感情的になり攻撃性も増し、本当の説明は不要だから、発展途上国の独裁政権のように腐敗することも理論上可能となる。『私は悪いことをしている』と公言する独裁者はいない。いい加減な説明をし、国民は納得していないのに権力に居続けるのが典型的な独裁政権だからだ。明治というより昭和の戦前・戦中の時代空気に対する懐古趣味もさらに現れてくるように思う。そもそも教育勅語を暗唱させていた幼稚園を、首相夫人は素晴らしい教育方針ともうすでに言っている。
 改憲には対外的な危機感が必要だから、外交はより敵対的なものになり、緊張は否応(いやおう)なく増してしまうかもしれない。改憲のための様々な政治工作が溢れ、政府からの使者のようなコメンテーター達が今よりも乱立しテレビを席巻し、危機を煽る印象操作の中に私達の日常がおかれるように思えてならない。現状がさらに加速するのだとしたら、ネットの一部はより過激になり、さらにメディアは情けない者達から順番に委縮していき、多数の人々がそんな空気にうんざりし半径5メートルの幸福だけを見るようになって政治から距離を置けば、この国を動かすうねりは一部の熱狂的な者達に委ねられ、日本の社会の空気は未曽有の事態を迎える可能性がある。
 北朝鮮との対立を煽られるだけ煽られた結果の、憎しみに目の色を変えた人々の沸騰は見たくない。人間は『善』の殻に覆われる時、躊躇(ちゅうちょ)なく内面の攻撃性を解放することは覚えておいた方がいい。結果改憲のために戦争となれば本末転倒だ」

 私はもちろん、中村に同意する。だが、安倍などとは違った真っ当な保守の意見も頭に入れておいたほうがいい。

 安倍も小池も、保守ではなく頑迷なタカ派に過ぎないのだから。

 新潮の小池百合子は、特筆するべきものはない。取り上げるとすれば、哲学者の適菜収のこの言葉ぐらいか。

「『改革』は便利なキーワードです。失敗したら、それは改革が足りないからだと言い逃れできる。だからもっと改革を進めろと。これは悪質な宗教と同じです。救われないのは信仰心やお布施が足りないからだ──と」

「改革保守」なる中身のない珍妙なフレーズに騙されてはいけない。

 話はガラッと変わる。

 グルコサミンというのはサプリメントの王様であろう。高齢者の多くが慢性的なひざの痛みなどに悩まされている。

 新聞広告の大半が、ひざの痛みにいい、間接に直接働きかけるなど、この手のサプリ広告ばかりである。

 グルコサミンとは、グルコースとアミノ基が結合したアミノ糖で、体内でもつくられているという。

 では、これを飲むと効果はあるのだろうか。

 文春で、北里大学薬学部分子薬理学教室の川島紘一郎客員教授にいわせると、効果はないという結果が出たというのである。

 膝と腰の変形性関節症に対するグルコサミンの効果という研究結果が、有力な医学雑誌に取り上げられた。

 要は、サプリを飲んでいる人と、いない人と比較したが、なんら変わらないということが分かったというのである。

 川島教授は「いくら髪の毛を食べても、髪の毛が生えてこないのと同じこと」だと、バッサリ。

 グルコサミンで儲けている会社は、当然ながら「そんなことはない」というが、その根拠は弱い。

 まあ、鰯の頭も信心から。信じれば、滝がお酒になることもあるかもしれないが。

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