「髪の毛を食べても、生えてこないのと同じ」──サプリ業界を揺るがす“グルコサミン神話”崩壊の衝撃
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
このあたりから総選挙関連の記事が続く。
小池百合子の評価が日を追うごとに下落している。小池の希望の党運営がその場限り、独善的、政策といえるものがないなどさまざまあるが、最大のものは、小池が都知事を辞して国政に関わると決断しない「優柔不断」な態度に対してである。
新潮で民進党執行部の幹部が、「一言で言えば『前原はアホ、小池はワル』」といっているが、アホはワルには勝てない。
小池について回っている前原の情けない顔を見ると、早く議員なんかやめろよと声をかけたくなる。
長年、小池にアドバイスしてきた細川護熙も、「公認するのに踏み絵を踏ませるというのはなんともこざかしいやり方で『寛容な保守』の看板が泣く」と強く批判した。
長野1区で公認された民進党前職の篠原孝・元農林水産副大臣は、「政策なんて何もない政党と政策協定書にサインさせるなんて、小池さんの前で土下座して、クツを舐めさせるような行為です。私は、政治家として14年間歩んできた矜持から、サインはしないと伝えました」(AERAdot.10月4日22:04配信より)。
それなのに公認されてしまった。篠原は希望の党に三下り半を突きつけ、無所属で出馬する。
小池の親衛隊である「都民ファーストの会」からも脱藩者が出ている。小池の化けの皮が剥がれ、地の厚い面の皮が透けて見えてきた。
枝野幸男立憲民主党ができて、色分けははっきりしてきた。自民と小池新党、維新の会が改憲積極右派、公明党は日和見、立憲と社民党がリベラルで共産党がやや左派。
希望の党は10月4日に第一次公認候補192人を発表した。
続いて、ようやく公約を発表したが、目新しいのは「花粉症ゼロ」「電柱ゼロ」を目指すくらいか。
目指す12のゼロのうちの一つが原発ゼロだから、重点目標ではなく、その他大勢ということなのだろう。消費税10%値上げ反対はいい。だが、「憲法9条をふくめ憲法改正論議をすすめる」というのでは、選挙後は安倍と手を組んでさっさと改憲すると宣言したのと同じことである。
代表に就任しておきながら衆院選には出馬しないようだが、選挙後の首班指名で、希望の党は誰を立てるのだろう。
新潮によれば、安倍自民が単独過半数割れになれば、安倍は退陣せよという党内の声が高くなるに違いないと見る。
安倍が退陣した場合、投開票から10日も経たずに次の総裁を決めなくてはならない。自民党の内規にあるように、両議員総会を開き、議員票だけで選ぶということになるのではないか。
その場合、岸田文雄政調会長が本命視される。地方票に強い石破茂は、国会議員だけの投票になると弱いが、希望の党が野党第1党になっていれば、小池と話ができることを強調するだろうと見られているようだ。
自民党がどこまで減らすのか。選挙の争点はその一点に絞られた。
文春の小池百合子激白は、読む限り「立ち話インタビュー」ではないのか。新味も中身も何にもない。
少し紹介しよう。
安倍が、小池は「当選のために政党を移っている」と批判しているがと聞かれて、
「私の原点は日本新党時代の九十三年。北朝鮮情勢が悪化し、有事に対応できないということで、社会党切りをやって少数与党になりました。この時、安全保障の重要性を目の当たりにしたのです。では自民党はどうだったか。
社会党と一緒になって村山政権を作るんですね。政権をとるためだったら何でも良いのは自民党ですよ。野合という言葉はそっくり安倍さんにお返ししたいですね」
どっちもどっちもだ。小池の出馬しない希望の党など、クリープを入れないコーヒーと同じだ。
似た者同士のなれ合いで、この選挙は汚されている。どうしたらいいのか、どの政党にわずかだが希望はあるのか。じっくり考えたい。
ここで、朝日新聞(10月6日付)に掲載された、2人の異なるこの選挙への考え方を紹介しておく。
1人は佐伯啓思京都大学名誉教授。いわずと知れた保守派の論客である。今1人は芥川賞作家・中村文則、40歳。
まずは佐伯から。
「今回の選挙は、実は、大きな政策上の選択のはずであった。いや、日本の方向を左右する大きな論点があったはずだ。安倍政権は、ともかくもひとつの方向を打ち出していた。国際社会のなかで日本のプレゼンスを高める。そのために、グローバル経済や新分野のイノベーションを推進し、経済成長を可能にして、日本経済の国際競争力を強化する。また日米関係の強化によって北朝鮮に対抗し、安全保障を万全にすべく憲法改正へ向けて準備する。
これが安倍政権の基本方針である。それに対抗する政策を打ち出すのが野党の役割であろう。そのためには、少子高齢化へ向かう日本社会の将来像や、混乱する国際関係の見取り図や、戦後日本の国家体制(憲法と安全保障)などをどうするか、というきわめて重要な問題がある。野党はそれから逃げている。それを避けて、『改革』の出し物で『劇場』を作って国民を動員すればよい、などというのでは、政治は茶番になるだけである」
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