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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > ヤバすぎる新食感のグルメ番組
テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第159回

食べることは生きること――あまりにもヤバい新食感グルメ番組が映し出す、世界の現実

 そして番組は、リベリアの過酷な現実を映し出す。

「元人食い少年兵の飯」というテロップ。

 1989年からリベリアでは激しい内戦が行われていた。25万人以上が戦死したといわれるこの内戦で、政府軍、革命軍は共に子どもたちを拉致し、訓練を施した上で銃を持たせ、前線に送り込んだ。少年たちは現実から逃れるため、コカインを常用し、仮装して戦ったという。極限状態に置かれた彼らは、殺した敵兵の肉を食ったと伝えられている。

 そんな元少年兵たちが今、どんな食事をしているかリポートしようというのだ。

 2003年、内戦が終結すると、少年兵たちは居場所を失い、彼らは広大な共同墓地に住むようになった。ガイドを務める現地ジャーナリストすら、墓地の前に着くと言う。

「相当危ないぞ、近づく時は本当に気をつけないと。元少年兵が襲ってくるかもしれない」

 実際、墓地の前でたむろしている男たちに声をかけると「クソ野郎、何撮ってんだ、お前!」などと罵声を浴びせられ、どんどんと人が集まってきて取り囲まれる。体をぶつけスリをしようとする者や、カメラを取り上げようとしてくる者もいる。

「とりあえず中は入れ」

と、自分たちのテリトリーに無理やり引き込もうとする元少年兵たちの迫力は、テレビでなかなか見ることのできない緊張感だった。

 なし崩し的に墓地の中に入ると、ひとりの女性が頭蓋骨を掲げてほほえんでいる。両親が殺され、その復讐のため11歳から少女兵として戦ったという。今は「生きるため」に娼婦をしている。

 そんな彼女に「食事を見せてくれ」と言うと、「今は食事を買う金がない」と答え、「3時間後に仕事に行くから、ついてくれば?」と言う。

「客が来て、セックスをして、客が金をくれたらご飯を買いに行くの」

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