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日刊サイゾー トップ > エンタメ > アイドル  > 『ラストアイドル』の戦略と楽しみ

前代未聞! 正式メンバー決定前に握手会開催――『ラストアイドル』の戦略と楽しみ

 定刻の18時、番組のテーマソングが流れる中、メンバーが登場した。普段テレビでは対戦に挑む緊張した表情や、敗れて涙にくれる姿などを見ていたせいか、明るいメンバーの表情を見られることがとても嬉しい。

 最初にGood Tearsが新曲「涙の仮面」をパフォーマンス。テレビで見る以上に生き生きとしている様子が伝わってくる。続いて、ラストアイドルが、デビュー曲「バンドワゴン」を披露。いつも番組ではワンコーラスのみの放送であったため、フルで聴くといかにドラマチックな曲であるかがわかる。メンバーによる自己紹介が終わり、握手会へ。

 握手会は、会場に入りきれなかった人も参加できるため、会場の外にも長い列ができる。参加者を見渡してみると、幅広い年齢層が参加している。意外に女性ファンも多い。やはり、秋元康プロデュースということで、48系や坂道系グループのファンも多いのではないかと思う。

 いよいよ握手の順番が回ってきて、15人と一気に対面する。他のグループでアイドル活動の実績がある人は、対応も慣れている。いわゆる「釣り」ができるのだろう。一方で、今回のユニットで初めて活動をする人は対応も初々しさにあふれている。どちらもそれぞれの魅力がある。そして、涙で敗退したメンバーも、ファンに笑顔で接しているのを見て、なにか安心したような気持ちになった。

 公式の発表によれば、この日、のべ1,000人もの人が握手会に参加したという。もうこれはひとつのムーブメントと言ってもいい規模だろう。

 こういった異例づくしのラストアイドルの方式は、残酷だという評価もある。確かに、その時々だけを見ればそう思えるかもしれない。しかし、目に見える形かどうかは別にして、アイドルは常に評価や戦いを避けられない職業であるのだ。この番組は、その目に見えないものを見えやすくしているにすぎない。なにより大前提として、プロジェクトに参加する女の子たちは、そのシステムを了承して参加しているのだ。

 そして、私がハッとしたのは、ラストアイドルがGood Teasのメンバーをステージに呼び込む時の言葉だった。

「私たちの仲間を紹介します!」

 そうか、と、その瞬間、腑に落ちた。

「ラストアイドル」は、選抜に残った人たちだけのものではない。戦いに挑んで敗れた者、その人たちも含めて、同じ戦いを経験した「同士」なのだ。これから番組やメンバーがどのような活躍を見せるかまだ分からない。しかし、彼女たちを同じ仲間だと思って見ていけば、また見える景色が違ってくる。

 この番組は奥が深い。それぞれのメンバーに物語が作られていく。その物語をまとめて楽しめるようになれば、この番組を何倍も面白く見ることができるだろう。

(文=プレヤード)

最終更新:2017/10/27 21:00
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