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前代未聞! 正式メンバー決定前に握手会開催――『ラストアイドル』の戦略と楽しみ

「ラストアイドル」プロジェクトサイトより

 アイドルというものは、常に多くの人にジャッジされる存在だ。歌を歌い、演技をし、そこでついたファンも永遠に応援してくれるとは限らない。しかし、その不安定なところ、あやうさ自体が実は魅力のひとつであったりもする。

 それを顕在化させ、わかりやすく提示したイベントが、AKB48グループのシングル選抜総選挙である。自分の応援するメンバーが上位に食い込めば嬉しいし、また一方で、あまり順位が伸びなくても逆に応援に力が入ったりする。まさに戦略の勝利と言っていいだろう。

 そんなAKB48グループや坂道シリーズなどトップアイドルたちの総合プロデュースを数多く手掛けてきた秋元康が、新たに手がけているプロジェクトがある。それがテレビ朝日系で放送されている『ラストアイドル』だ。

 一言で言ってしまえば、「アイドルユニットのオーディション番組」だが、いくつか特徴的な点がある。

 一つは、8月の番組開始時点で決まっていた7人のメンバーの前に、次々と挑戦者が現れ、1対1のパフォーマンスバトルの勝敗によって、12月のデビューまでにメンバーが入れ替わるという点。対決式のオーディションは珍しくないが、すでに楽曲、衣装、振付までが完成していて、そこからメンバーの入れ替わりがあるというのは異色だ。デビュー後の展開が約束されている分、息詰まる対決を目にすることができるのだ。

 二つ目は、他のユニットとの兼任が可能だという点。素人を対象として全国津々浦々の新たな才能を発掘するとともに、現在別のグループで活動している現役のアイドルたちも参加対象になるということだ。これは、アイドルブームの現代において、間口を大きく広げることになる。

 そして三つ目。勝敗の判定は、審査員の多数決や合議ではなく、ランダムに選ばれた審査員“一人”の意見で決定するという点。これにより、広くたくさんの人に支持される才能よりも、一人でも強烈な印象を残すことができる個性を持った人が選ばれる可能性があるということだ。

 その画期的なオーディションシステムは反響を呼び、毎回その戦いが放送されるたび、ネット上では多くの意見が飛び交っている。番組開始から3カ月、現在放送されている段階で、メンバーの半数以上が入れ替わり、いくつかの決定事項が発表された。

 まず、メインとなる7人のユニット名は、ずばり『ラストアイドル』。彼女らは今年の12月20日にユニバーサルミュージックからCDデビューすることが決まっている。また、戦いに敗れたアイドルたちで結成されたセカンドユニット『Good Tears』も結成された。

 10月25日、そのラストアイドルメンバーによる初のイベントが開催された。もちろん、オーディションはまだ続いているので、参加するのは「暫定メンバー」、「Good Teas」、そしてセカンドユニット候補メンバーの計15人。企画自体が異例であるだけでなく、正式メンバーが決まっていないのにイベントを行うというのもまた前代未聞である。

 会場となったタワーレコード渋谷店地下1階にあるCUTUP STUDIOには、キャパいっぱいの300人ほどが集まった。イベントの参加券は全て配布終了し、最初に行われたパフォーマンスを見ることができなかった人も大勢いたほどの盛況ぶりだ。

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