一日使える無料乗車券配布で話題沸騰! 23区のローカル線「池上線」でどこへ行く?
2017/09/24 23:00
#地域 #鉄道
こちらが旗の台駅の池上線側ホーム。いまだに木製ベンチも。以前は上り線ホームには、立ち食い蕎麦屋もあった
旗の台駅周辺のうらぶれた下町感は絶妙。まだ「大人の隠れ家」系人種には荒らされていない
そんな旗の台駅の隣、長原駅を降りて、歩くのも一興だ。この長原駅。駅前は下町っぽい商店街。ところが、商店街から南東方向へ一歩入ると、なんだか立派な邸宅が目立つ住宅街が現れるのだ。ちょっと角を曲がっただけで、ガラリと風景が変わるのには、驚くはず。そんな長原駅からほど近い小池公園からは、さっきまで下町にいたとは思えない風景が広がっていて、驚くことができるハズだ。
個人商店の数も少なくなって寂しさを漂わせている長原駅周辺の商店街
その長原駅から徒歩5分あまり歩くと、突然、レイクサイドな高級住宅地が。ここが釣り堀だったのも今は昔
しかも、開発されてから時間が経っているからだろうか。邸宅もひと昔前の雰囲気があって、味わい深い。ちなみに、小池公園は現在は自然の多い公園になっているが、かつては私営の釣り堀だった場所。住宅街のド真ん中に釣り堀がある光景は相当シュールであった。
このあたり、トボトボ歩いていると、次第に池上線から離れていってしまうが、バスの走る通りに出れば、池上駅前まで移動できるので覚えておきたい。
迷いながら歩いているうちに見つけた、スゴイ地形に立つマンション。お城みたいでカッコイイ
さらに迷っているうちにたどり着くわびさびのある風景。沿線にはこんな風景が目白押しである
このほか、石川台駅や久が原駅なども、池上線を楽しむ上では欠かせない。言っておくが、主な見どころは何もない。単に、23区でも、ちょっとほかとは雰囲気の違う町があるだけ。とりわけ観光地的なところや、グルメスポットなど何もない。
こういう21世紀的な開発からは遠い風景が魅力。竹の塚や蒲田のようなディープスポットと違いキーワードは「寂」だな、多分
ただ、多くの地域で土地が山あり谷ありの丘陵地系だったり、迷い込みたくなるような狭い道がいっぱい。お仕着せのガイドではなく、そうした道に迷いこむのが、池上線沿線観光の醍醐味なのである。
この文章を書くにあたって、筆者も千鳥町駅から蓮沼駅まで、池上駅経由で歩くはずが、なぜか多摩川線の武蔵新田駅前にいってしまった。そんな道に迷うことが楽しめる人は、無料乗車券を大いに楽しめるだろう。
(文=昼間たかし)
最終更新:2017/09/24 23:00
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