テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第157回
「お笑い」と「お笑い風」は地続き――『ゴッドタン』が開拓した、ハライチ岩井の“腐り芸”
2017/09/23 14:00
#お笑い #ハライチ #テレビ裏ガイド #てれびのスキマ #ゴッドタン
わかりやすいと思った。自分はスタッフのことを何も考えていなかった。何もわかっていなかったんだと思った。
しかし――。
それでもなお、自分は「かわいい!」と言いたくないと思った。
「2択を突きつけられたときに『そうだ、やろう』と思える人は売れる。でも、俺みたいに意味はわかるけど、それでもお笑いだけをやりたいって人は淘汰される。で、淘汰されることに対して抵抗してないんです」
岩井の言う「お笑い」と「お笑い風」は、確かに違うかもしれない。どちらが好きか嫌いかは、人それぞれだろう。だが、そこに優劣をつけようとするとおかしくなる。いみじくも、岩井はこうつぶやいた。
「この番組では腐りキャラなんですけど、ほかの番組では、ただの腐ってる奴なんですよ」
キャラ立てし、わかりやすくするのは、実は「お笑い風」の常套手段でもある。「お笑い」と「お笑い風」は地続きなのだ。この「お笑い」番組でのキャラ立てが“取扱説明書”になり、ほかの「お笑い風」番組に波及し、ブレークした例はいくつもある。そうなったときに、それに抗う姿も魅力的だし、ギリギリのラインを探りながら順応していくのも悪くない。その葛藤と覚悟と変化を見ることが、「お笑い風」の楽しみのひとつだ。
最後に、岩井は自嘲して言った。
「この番組で視聴者から『面白い』とか言われるんですけど、一向にほかのバラエティに呼ばれないんですよ。それってなんでかわかります? 腐ってるからです」
(文=てれびのスキマ http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/)
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最終更新:2019/11/28 19:43
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